教室のホームページに記事を積み上げても、体験授業の申し込みが増えないという相談を受けます。学習塾のSEOは、通える距離という物理的な上限と、契約が特定商取引法の規律を受ける前提から設計するものです。本記事で扱うのは商圏と読み手の分かれ方、受講生数の季節性、そして合格実績や体験談の書き方の線引き。読み終える頃には、自教室のどのページから直すべきかが見えているはず。
学習塾のSEOが他業種と違う3つの前提
一般的なSEOの手順は、学習塾でもそのまま通用します。ただ、その手順を当てはめる土台が他業種とかなり違うため、同じ努力量でも結果が変わります。違いは商圏の狭さ、検索する人と契約する人が分かれること、契約そのものに固有の法規制がかかることの3点です。 順に押さえてから施策に入りましょう。優先順位のつけ方は中小企業のSEO対策は何から始める?優先順位と時間の使い方を解説でも扱いました。

通えるのは自転車圏内――距離はGoogle自身が順位要素に挙げている
学習塾に通うのは生徒本人です。保護者が送迎する場合を含めても、通塾できる範囲は自宅や学校から自転車で行ける距離あたりで頭打ちになります。 Googleも「距離とは、検索しているユーザーから各ビジネス拠点までの距離を指します。」と説明しており、ローカル検索で事業者が動かせない要素です。この上限は、記事を何本書いても広がりません。まず在籍生徒の住所から通塾範囲を確かめましょう。
検索するのは生徒、契約を決めるのは保護者
塾を探す動機は、成績が伸びない、受験が近いといった生徒側の事情から生まれます。一方で月謝を払い、契約書に署名するのは保護者です。同じ「塾を探している」状態でも、生徒が知りたいことと保護者が確かめたいことは重なりません。 これは公的な統計で裏づけられた話ではなく、私が支援の現場で見てきた範囲での整理です。読み手が二人いる前提でページを設計するかどうかが、最初の分かれ目。
契約が2月・5万円を超えると特定継続的役務提供に当たる
学習塾の契約は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に当たりえます。消費者庁が挙げる7役務のうち学習塾は、期間が2月を超え、金額が5万円を超えるものが対象。金額は月謝だけでなく「入学金、受講料、教材費、関連商品の販売など、契約金の総額が5万円を超えていると対象になります。」とされています。 季節講習まで含めれば、多くの教室がこの線を超えるはず。該当すれば、サイトの表示にも同法の規律がかかります。
出典:Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント|Google ビジネス プロフィール ヘルプ、特定継続的役務提供|特定商取引法ガイド(消費者庁)
公的統計で見る学習塾市場――生徒は減り、単価は上がっている
施策を決める前に、市場がどちらへ動いているかを数字で押さえておきましょう。学習塾の市場は、児童生徒の数が確実に減る一方で、一人あたりの支出は増えるという二方向の動きをしています。この構造は、1件の入塾がもたらす価値が年々重くなっていることを意味します。 つまり、検索からの問い合わせを1件増やす経済的な意味も、以前より大きくなっているわけです。順に、母数、業界の売上、家計の支出の3つを見ていきます。

小学校581万2千人・中学校310万5千人でいずれも過去最少
文部科学省の令和7年度学校基本統計によると、在学者数は「小学校は、581万2千人で、前年度より12万9千人減少し、過去最少。」とされています。中学校も「中学校は、310万5千人で、前年度より3万6千人減少し、過去最少。」という状況です。商圏の中にいる児童生徒の数が、毎年目減りしていく前提になります。 同じシェアを保つだけでは生徒数が減るため、シェアを上げない限り教室は縮みます。
出典:令和7年度学校基本統計(学校基本調査の結果)確定値について公表します|文部科学省/Ⅰ.学校数、在学者数、教員数/確認日 2026-08-06
| 学校種 | 令和7年度の在学者数 | 前年度からの増減 |
|---|---|---|
| 小学校 | 581万2千人 | 12万9千人減(過去最少) |
| 中学校 | 310万5千人 | 3万6千人減(過去最少) |
| 高等学校 | 287万4千人 | 3万3千人減 |
売上は伸び、受講生数は減っている
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査は2024年12月分で終了しました。その最終年次データでは、売上高が2021年の5,517億円から2024年の5,934億円へ増えています。一方で受講生数は同じ期間に減り、単価が上がり人数が減る市場の輪郭が出ます。 なお年次の受講生数は月次の合計=延べで、月あたりの実数は約108万〜125万人。「1,400万人が通っている」と読み替えてはいけません。
出典:特定サービス産業動態統計調査 長期データ「19.学習塾」(2024年1月〜12月分年間補正済)|経済産業省/シート「年・実数」/確認日 2026-08-06
| 年 | 売上高(百万円) | 受講生数(人・月次の合計) | 事業所数(12月末) |
|---|---|---|---|
| 2021年 | 551,719 | 14,704,588 | 11,337 |
| 2022年 | 556,848 | 14,667,111 | 11,558 |
| 2023年 | 581,276 | 14,413,163 | 11,433 |
| 2024年 | 593,397 | 14,154,736 | 11,001 |
公立中学校の学習塾費が、私立を上回っている
文部科学省の令和5年度子供の学習費調査によると、中学校以上の学習塾費は「中学校では公立約23万円,私立約16万8千円,高等学校(全日制)では公立約14万7千円,私立約16万7千円となっている。」とされています。中学校だけは公立が私立を上回ります。 高校受験を控えた公立中学生が、学習塾の中心にいる構図です。同じ調査は、幼稚園・小学校・高校では公立より私立が多いとも述べています。
出典:令和5年度子供の学習費調査 調査結果の概要【令和8年1月16日差替】|文部科学省/3 学校外活動費 表6/確認日 2026-08-06
| 学校種 | 学習塾費・公立(円) | 学習塾費・私立(円) |
|---|---|---|
| 幼稚園 | 14,167 | 25,261 |
| 小学校 | 75,194 | 259,492 |
| 中学校 | 230,385 | 168,058 |
| 高等学校(全日制) | 147,140 | 166,867 |
この調査は2026年1月に訂正された――流通している数字は旧値
ウェブ上に出回っている学習塾費の数字には注意が要ります。この調査は令和8年1月16日に訂正されており、訂正前の小学校公立は約5万6千円と公表されていました。検索上位に並ぶ解説記事の多くは、いまも訂正前の値のままです。 文部科学省は正誤情報のページで訂正の事実を明示しています。数字を引く前に、そのページを一度開いて確かめましょう。自教室の資料に古い数字が残っていないかも、あわせて見直したいところ。
支出した世帯だけで見ると、公立中学生は年約34万9千円
先の金額は、塾に通っていない世帯を含めた平均です。実際に支出した世帯だけを見ると数字は跳ね上がり、同調査は「中学校では公立約34万9千円,私立約32万8千円,高等学校(全日制)では公立約38万1千円,私立約44万4千円となっている。」としています。これは月謝ではなく、講習費や教材費まで含む年額の合計です。 保護者が向き合う金額の実像がここにあります。
出典:令和5年度子供の学習費調査 調査結果の概要【令和8年1月16日差替】|文部科学省/表8-2 学習塾費の金額分布/確認日 2026-08-06
| 区分 | 支出した世帯のみの平均額(千円) | 学習塾費が0円の世帯(%) |
|---|---|---|
| 小学校・公立 | 193 | 61.0 |
| 小学校・私立 | 361 | 28.1 |
| 中学校・公立 | 349 | 34.0 |
| 中学校・私立 | 328 | 48.8 |
| 高等学校・公立 | 381 | 61.4 |
| 高等学校・私立 | 444 | 62.4 |
出典:令和7年度学校基本統計(学校基本調査の結果)確定値について公表します|文部科学省、特定サービス産業動態統計調査|経済産業省、令和5年度子供の学習費調査 調査結果の概要【令和8年1月16日差替】|文部科学省、令和3年度調査及び令和5年度調査について(正誤情報)|文部科学省
検索するのは生徒、決めるのは保護者――読み手を分けたページ設計
塾を探す入り口と、契約を決める場面には別の人がいます。この構造そのものはBtoBのSEOとBtoCの違いとは?検索者と決裁者のズレから解説で扱いましたが、学習塾では二人の距離が家庭の中にあるぶん、やり取りが見えにくくなります。生徒が見つけ、保護者が確かめ、二人で決めるという流れを、ページの側で分けて用意しましょう。 ここでは学年と金額、情報の並べ方を見ていきます。

学習塾費は学年とともに立ち上がる
検索の需要は学年によって立ち上がり方が違います。文部科学省の調査は「学年別にみると,私立小学校及び私立中学校を除き,学年とともに学習塾費が多くなっている。」と述べており、公立中学校では第1学年の133,647円が第3学年で341,220円まで増えます。約2.6倍という差は、受験学年に需要が集中する構造をそのまま表しています。 どの学年に向けたページが手薄かを、まず棚卸ししましょう。
出典:令和5年度子供の学習費調査 調査結果の概要【令和8年1月16日差替】|文部科学省/表6 学年別の補助学習費/確認日 2026-08-06
| 学年 | 学習塾費・公立(円) | 学習塾費・私立(円) |
|---|---|---|
| 小学校第6学年 | 145,161 | 442,735 |
| 中学校第1学年 | 133,647 | 151,796 |
| 中学校第2学年 | 213,759 | 151,425 |
| 中学校第3学年 | 341,220 | 202,127 |
| 高校第3学年 | 206,454 | 214,709 |
保護者が確かめるのは総額――料金の書き方も規制の対象事項
保護者が知りたいのは、月謝ではなく1年でいくらかかるかです。特定商取引法の誇大広告等の禁止は効果だけを対象にしているわけではなく、消費者庁の解説では役務の対価、支払の時期及び方法、提供期間、契約の解除に関する事項なども対象事項に挙がっています。月謝だけを大きく載せ、教材費や講習費に触れない料金ページは、この点から見直す価値があります。 総額と内訳を同じ画面に置きましょう。
1ページに2人の読み手を混ぜない
生徒向けの言葉と保護者向けの説明を1ページに詰め込むと、どちらにも届かないページになります。教室紹介やコース案内は生徒の関心に寄せ、料金・安全面・講師体制・退塾時の扱いは保護者向けに独立させるほうが読まれます。 検索の入り口は生徒側の悩みでも、最後にページを開くのは保護者。片方から片方へ迷わず動ける導線を、ページの上部に置いておきましょう。
出典:特定商取引に関する法律・解説(令和7年6月1日時点版)第4章 特定継続的役務提供|消費者庁、令和5年度子供の学習費調査 調査結果の概要【令和8年1月16日差替】|文部科学省
商圏の狭さとGoogleビジネスプロフィールの役割分担
通える距離に上限がある以上、自社サイトだけで戦うのは効率が悪くなります。商圏が地理で閉じる業種の考え方は工務店のSEO対策は何を優先する?商圏の狭さと表示規制から解説でも整理しました。学習塾ではここにGoogleビジネスプロフィールが加わり、サイトとマップで役割が分かれます。 どちらに何を任せるかを決めてから、手を動かしましょう。

ローカル検索は関連性・距離・知名度で決まる
ローカル検索の順位を決めるのは3つの要素。Googleは「ローカル検索結果は、主に関連性、距離、知名度に基づいて表示されます。」と説明しています。古い記事にある「視認性の高さ」は、いまの日本語版にはない表記。 関連性の定義は「検索語句とビジネス プロフィールが合致する度合いを指します。」というもの。距離は事業者側で動かせないため、実際に手を入れられるのは関連性と知名度の2つ。
知名度にはクチコミが効く。ただし集め方には規律がある
知名度についてGoogleは「この要素は、ビジネスにリンクしているウェブサイトの数やクチコミの数などの情報にも基づいています。」と述べています。ただし、集め方には別の規律。 消費者庁の運用基準は、事業者が第三者に依頼・指示をして特定の内容の表示をさせた場合、その表示が事業者のものであることを明瞭に示すよう求めるものです。順位を上げるために集めるという発想は、ここで止めておきましょう。
教室のない地域名のページ量産は「誘導ページの不正使用」
多教室展開の塾で必ず出てくるのが、対応エリアのページを増やす案。Googleは「誘導ページの不正使用とは、特定の類似した検索語句で検索結果の上位に表示されることを目的にサイトまたはページを作成することです。」と定義し、例として特定の地域や都市を対象としたページを複数持つ形を挙げています。禁じられているのは、有用性の低い中間ページへの誘導。 分かれ目は、教室が実在し、固有の情報があるかどうかです。
フッターの対応エリア羅列は「キーワードの乱用」の例示
Googleはキーワードの乱用の例として「ウェブページが特定の都市や地域に関する検索結果の上位に掲載されるようにするために、都市名や地域名を羅列したテキストのブロック」を挙げています。塾のサイトのフッターに市区町村名だけを並べる書き方は、この例示に近いもの。対応エリアを示すこと自体は読者に必要な情報。 通学手段や所要時間まで添えれば、羅列とは別のものになります。
出典:Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント|Google ビジネス プロフィール ヘルプ、Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー|Google 検索セントラル、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準|消費者庁
季節性から逆算する更新設計――受講生数の底は春にある
募集の山は新年度、という前提で年間の計画を立てている教室は多いはず。ところが公的な統計を見ると、受講生数の動きはその感覚と一致しません。売上と生徒数でピークがずれること、そして生徒数の底が春にあること。この2点を押さえると、記事を出す時期の判断が変わります。 反映までにかかる時間と合わせて、逆算の設計を見ていきましょう。

売上のピークは8月と12月、底は5月
2024年の月次データでは、学習塾の売上高は8月の654億円が最も高く、次いで12月の616億円。最も低い5月の345億円と比べると約1.9倍の開きがあります。季節講習が売上を押し上げる構造が、そのまま数字に出ています。 一方で受講生数は8月が最多ではなく、1月の1,253,183人がピーク。売上の山と在籍の山は別々に動くため、施策の狙いをどちらに置くかを先に決めましょう。
出典:特定サービス産業動態統計調査 長期データ「19.学習塾」(2024年1月〜12月分年間補正済)|経済産業省/シート「月・実数」/確認日 2026-08-06
| 2024年 | 売上高(百万円) | 受講生数(人) |
|---|---|---|
| 1月 | 55,095 | 1,253,183 |
| 3月 | 43,526 | 1,090,171 |
| 4月 | 52,524 | 1,084,825 |
| 5月 | 34,495 | 1,100,227 |
| 8月 | 65,423 | 1,232,258 |
| 12月 | 61,641 | 1,249,732 |
受講生数の底は3〜4月――新年度に増えるという通説と逆
同じデータで受講生数を追うと、2024年の底は4月の1,084,825人。3月の1,090,171人と並ぶ低さで、そこから12か月かけて1月まで積み上がっていきます。受験を終えた生徒が抜ける春が、在籍の谷。 新年度に生徒が増えるという語られ方は、少なくともこの統計とは合いません。募集の準備は、谷が来る前に終えておくもの。
反映には数か月かかる前提で前倒しする
反映までの時間について、Googleの説明は明快。「変更した結果が Google 側に反映されるまでにはある程度の時間がかかります。数時間かかる変更もあれば、数か月かかる変更もあります。」着手から成果まで、数か月の幅。 同じページには「ただし、変更すれば必ず目に見える変化が現れるというわけではありません。」との但し書きつき。何月に効くという計算はできませんが、遅れを見込んだ前倒しは打てます。
季節ページは作り直さず、同じURLを毎年育てる
毎年新しいURLで夏期講習や受験直前対策のページを作り直している教室は、案外多いもの。評価が積み上がらないうえ、前年のページが検索結果に残って古い日程を見せてしまいます。 年度を含まないURLで1本にまとめ、中身だけを毎年書き換えていきましょう。前年の申し込み数や質問の内容を記録しておけば、書き換えの材料にもなります。更新日は本文に明示しておくもの。
出典:特定サービス産業動態統計調査|経済産業省、検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド|Google 検索セントラル
合格実績・体験談・料金表示にかかる3つの規律
サイトに載せる言葉は、順位以前に法律の側から線が引かれています。資格業での考え方は士業のSEO対策は広告規制とどう両立する?表現の線引きを解説で扱いましたが、学習塾には特定商取引法と景品表示法が同時にかかります。合格実績、体験談、そしてNo.1表示。この3つが、塾のサイトで最も踏みやすい場所です。 順に根拠を見ていきましょう。

ウェブサイトも「広告」に含まれる
特定商取引法の誇大広告等の禁止は、紙の広告だけの話ではありません。消費者庁の解説は、第43条の「広告をするとき」について第11条の解説を参照するよう指示しています。その第11条の解説は「インターネット上のウェブサイト(オークションサイトを含む。以下同じ。)、電子メール、SNS等において表示される広告も含まれる。」と述べているものです。教室のサイトもSNSも、この射程に入ります。
消費者庁は「××テスト +○○点」を誇大広告の例に挙げている
消費者庁の解説には、塾を思わせる例が載っています。誇大広告について「『体重 -○○㎏』、『××テスト +○○点』等の著しい効果の発生、目的の実現を強調した広告が見受けられる。」と指摘し、根拠がないのに「+○○点の実績を誇ります。」と書くのは該当する可能性が高いとしています。問題は実績の掲載そのものではなく、その見せ方。 問われるのは、不特定多数にも同じ効果があると読める書き方かです。
掲載表現の根拠資料を15日以内に出せるか
実績を載せるかどうかの判断は、根拠資料を出せるかで決まります。特定商取引法第43条の2により、主務大臣は「当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。」とされ、提出がなければ誇大広告に該当するとみなされる仕組みです。期間は原則15日間。 合格者名簿や受験報告の原本を、サイトの表現と1対1で対応する形で残しておきましょう。
体験談は恣意的に抜き出さない・手を入れない
合格体験談や保護者の声は、載せ方で扱いが変わります。消費者庁の運用基準は、第三者の表示をそのまま引用する場合は事業者の表示にならないとしたうえで、恣意的な抽出や内容の変更があれば別だとしています。良い意見だけを選ぶ、文章に手を入れる。このどちらかをした時点で、事業者自身の表示になります。 塾が下書きを作った体験談なら、その旨を本文と同じ大きさで明示しましょう。
「地域No.1」は4要件、検索上位を比較対象にした調査は問題となるおそれ
地域や合格実績のNo.1を打ち出すなら、根拠の作り方から確かめる必要があります。消費者庁は主観的評価によるNo.1表示について、比較する商品等の選定、調査対象者の選定、調査方法の公平性、表示内容と調査結果の対応の4点を求めています。注意したいのは調査の設計です。 検索上位の同種商品だけを比較対象にした調査は、景品表示法上問題となるおそれがあると指摘されています。
出典:No.1表示に関する実態調査報告書|消費者庁表示対策課/第3 No.1 表示に関する景品表示法上の考え方/確認日 2026-08-06
| # | 要件(原文ママ) |
|---|---|
| ① | 比較する商品等が適切に選定されていること |
| ② | 調査対象者が適切に選定されていること |
| ③ | 調査が公平な方法で実施されていること |
| ④ | 表示内容と調査結果が適切に対応していること |
出典:特定商取引に関する法律・解説(令和7年6月1日時点版)第4章 特定継続的役務提供|消費者庁、特定商取引に関する法律・解説(令和7年6月1日時点版)第2章第3節 通信販売|消費者庁、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準|消費者庁、No.1表示に関する実態調査報告書|消費者庁
合同会社ワンブリマーケティングについて
合同会社ワンブリマーケティングは、SEO・オウンドメディア運用・生成AI活用支援を専門とする企業です。専任のマーケ担当を置きにくい学習塾や、特定商取引法・景品表示法といった複数の規律を同時に見る必要がある事業者を中心に、キーワード設計から記事制作、更新運用の設計までを一貫して支援しています。 自教室に合った進め方を相談したい方は、お問い合わせからご連絡ください。
学習塾のSEO対策についてよくある質問
Q1. 学習塾のSEO対策とMEOは、どちらを優先すべきですか?
どちらか一方を選ぶのではなく、役割の違うものとして両方を持つのが実務向き。Googleは「ローカル検索結果は、主に関連性、距離、知名度に基づいて表示されます。」と説明しており、マップ側では距離という動かせない要素が効きます。自社サイトはコース内容や料金の説明を担い、マップは近くにいる人に見つけてもらう入り口。 情報の整備が済んでいないなら、まずビジネスプロフィールから手を付けましょう。
Q2. 合格実績を載せるとき、法律の面で気をつけることはありますか?
掲載そのものは禁じられていません。問われるのは、他の生徒にも同じ結果が起きると読める書き方かどうかです。消費者庁は根拠がないのに「+○○点の実績を誇ります。」と書くことを誇大広告に該当する可能性が高いとしています。加えて、掲載表現の裏付け資料を求められた場合の提出期間は原則15日間。 合格者名簿や受験報告を、掲載した表現と対応づけて残しておきましょう。
Q3. 学習塾のSEO対策は、効果が出るまでどのくらいかかりますか?
Googleが示しているのは「数時間かかる変更もあれば、数か月かかる変更もあります。」という説明です。3か月で成果が出るといった期間は、Google公式には示されていません。 学習塾の場合は受講生数が春に底を打つため、そこへ間に合わせるなら数か月分を見込んで前倒しする判断になります。まずは数週間単位で変化を見ながら、季節の山から逆算して着手時期を決めましょう。
Q4. 保護者向けと生徒向け、どちらを意識してページを作ればよいですか?
両方必要ですが、1ページに混ぜないほうが読まれます。探し始めるのは生徒側の事情でも、料金を確かめて契約するのは保護者。コース内容や教室の雰囲気は生徒向け、料金の総額と内訳・講師体制・退塾時の扱いは保護者向けに分けましょう。 文部科学省の調査では、支出した世帯の平均額が公立中学生で年約34万9千円。保護者が確かめたい金額の重さが数字に出ています。
Q5. SEOは外注すべきですか、それとも自分たちでできますか?
まずGoogleの注意喚起から。「Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できません。」順位を保証する業者や、特別な関係を強調する業者には注意が要ります。同じページでGoogleは、小規模なローカルビジネスの経営者なら作業の多くを自分で行えるとも述べているもの。 教室の情報整備や体験授業の案内は内製でも進むはず。外注するなら、表現の法令面を誰が確認するのかを発注時に決めておきましょう。
まとめ:商圏と規律の両面から、学習塾のSEO対策を見直そう
学習塾のSEOは、通える距離という上限と、契約に特定商取引法の規律がかかる前提の上に成り立ちます。押さえるべきは3つです。生徒と保護者で読み手を分けてページを設計すること、受講生数が春に底を打つ季節性から着手時期を逆算すること、そして合格実績・体験談・No.1表示を根拠が出せる書き方に絞ること。 児童生徒数が減り続ける市場では、問い合わせ1件の重みが年々増していきます。まずは自教室の料金ページ、体験談の掲載形式、Googleビジネスプロフィールの3点を見直すところから始めてみましょう。
商圏の狭い業種で、対応エリアのページを一気に増やしたいという相談は繰り返し受けてきました。ある地域密着型サービスの支援では、拠点から車で1時間以上離れた市区町村のページを30本ほど作った状態から引き継いだことがあります。検索順位こそ付いていましたが、問い合わせは1年で2件、しかも対応できない距離でした。届く範囲を先に決めてから、その中で密度を上げるほうが早いと考えています。