求人サイトのSEO対策で、構造化データ対応やキーワード選定ばかりを見ていませんか。求人サイトには職業安定法の届出制や「的確な表示」の指針など、一般的な解説記事が触れない一次情報が数多くあります。本記事は求人サイトと採用サイトの法的な区分から、必須記載事項や掲載終了求人の扱いまでを一次ソースで整理した内容です。読み終えれば、自社の施策を根拠つきで判断できるようになります。
求人サイトのSEO対策になぜ本気で取り組む価値があるのか——3つの統計で確認する

求人サイトのSEO対策に取り組む前に、まず市場の実態を数字で確認しておきましょう。中小企業のSEO対策は何から始める?優先順位と時間の使い方を解説で扱った優先順位づけの考え方は、後発・中小規模の求人サイト運営者にもそのまま当てはまります。ここでは公的統計をもとに、求人サイト市場の規模を3つの角度から整理します。
求人サイト等が扱う求人情報は延べ1億2,653万件、事業者数は1,283(令和7年6月時点)
厚生労働省の集計(速報値)によると、令和7年6月1日時点で事業概況報告書を提出した特定募集情報等提供事業者の数は1,283事業者で、対前年比11.2%増でした。これらのサービスが扱った求人情報は、合計で延べ126,535,021件(対前年比12.9%減)にのぼります。「延べ」の件数であり、1件の求人情報が複数のサービスから提供される場合もあるため、実数ではありません。
転職活動で最も多い方法は「求人サイト等」——ただし事業所側の主力はハローワーク
厚生労働省「令和2年転職者実態調査」(調査時点は2020年10月1日)によると、転職者が転職活動で用いた方法は「求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等」が39.4%で最多でした。一方、事業所側が実際に使った募集方法は「ハローワーク等の公的機関」が57.3%で最も高く、求人サイト等は43.2%にとどまります。 求職者側と事業所側では、聞いている設問も回答の対象もまったく異なる点に注意しましょう。
有効求人倍率1.18倍と職業紹介事業の市場規模は別の統計——混同しない
厚生労働省によると、2026年6月の有効求人倍率は1.18倍で、前月と比べて0.01ポイント上昇しました(2026年7月31日公表)。ただしこれはハローワークにおける求人・求職の状況を集計したものであり、求人サイトが扱う求人は含まれません。 また職業紹介事業(許可制)の令和6年度手数料収入は約9,835億円にのぼり、求人サイト(募集情報等提供事業)とは母集団の異なる別の市場です。
出典:一般職業紹介状況(令和8年6月分)について|厚生労働省、特定募集情報等提供事業の令和7年6月1日現在の状況等(速報)|厚生労働省、令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)|厚生労働省、令和2年転職者実態調査の概況|厚生労働省
「求人サイト」と「採用サイト」は法的に別物——まず自分がどちらかを確認する

求人サイトのSEO対策を検討する前に、自社がどちらの立場にあるかを確認しておく必要があります。BtoBのSEOとBtoCの違いとは?検索者と決裁者のズレから解説で扱った検索者と決裁者のズレは、BtoBモデルであることが多い求人サイト運営会社・ATSベンダーにも関わる論点です。ここでは「求人サイト」と「採用サイト」の法的な違いを整理します。
求人サイトは職業安定法の「募集情報等提供」に当たり得る——依頼あり型と収集型の2類型
職業安定法第4条第6項は、「この法律において「募集情報等提供」とは、次に掲げる行為をいう。」と定めています。第1号は労働者の募集を行う者等の依頼を受けて募集情報を求職者等に提供すること、第2号は依頼を受けずに募集情報を収集して提供することです。「求人サイト」という語自体は条文には出てきません。 書けるのは「求人サイトは職業安定法の『募集情報等提供』に当たり得る」までです。
求職者情報を集めているなら「特定募集情報等提供」——個人を識別できなくても届出が必要
職業安定法第43条の2第1項は、特定募集情報等提供事業を始める際に厚生労働大臣への届出を義務づけています。指針は、収集した情報から必ずしも特定の個人を識別できない場合であっても特定募集情報等提供事業に該当するとしており、会員登録のないサイトでも届出対象になり得ます。 届出の要否はSEOの評価とはまったく別の論点です。
- 「労働者になろうとする者に関する情報を収集して募集情報等提供事業を行う場合は、当該情報により必ずしも特定の個人を識別することができない場合であっても特定募集情報等提供事業に該当すること。」
自社の採用サイトは「労働者の募集」——届出は不要でも別の義務がかかる
職業安定法第4条第5項は、雇用しようとする者が自ら又は他人に委託して被用者となるよう勧誘する行為を「労働者の募集」と定義しています。自社が自社の従業員を募集する行為はこれに当たり、求人サイトのような届出義務(第43条の2)はかかりません。 ただし情報を「正確かつ最新の内容に保たなければならない」とする第5条の4第2項は、募集を行う者にも別途適用される点を押さえておきましょう。
レコメンドや絞り込みのやり方次第で「職業紹介事業」に箱が移ることもある
厚生労働省は、求人情報や求職者情報を提供するだけで申込みを受けず、雇用関係の成立のあっせんを行わない場合、職業紹介には該当しないという整理を示しています。逆に事業者の判断で情報を選別したり加工したりすると、その判断が自動処理かどうかにかかわらず職業紹介事業の許可等が必要になります。 ただし閲覧履歴に基づく表示順の変更や「新着情報」の表示は、この加工には当たらないという扱いです。
- 「求人情報又は求職者情報を提供するのみで、求人及び求職の申込みを受けず、雇用関係の成立のあっせんを行わない場合は職業紹介には該当せず、許可等の手続は必要ありません。」
- 「次のいずれかに該当する行為を事業として行う場合は、当該者の判断が電子情報処理組織により自動的に行われているかどうかにかかわらず、職業紹介事業の許可等が必要であること。」
出典:職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)|e-Gov法令検索、職業安定法施行規則(昭和二十二年労働省令第十二号)|e-Gov法令検索、募集情報等提供と職業紹介の区分について|厚生労働省、募集情報等提供事業について|厚生労働省
求人サイトSEOの定番施策が、指針とGoogleの両方に別々の理由で触れている

求人サイトのSEOでは、職種名の表現や求人原稿の書き換えが日常的な定番施策です。こうした定番施策の一部は、日本の法令の指針とGoogleの公式ポリシーの両方に、それぞれ別の理由で触れています。 どちらか一方だけを知っていても、施策の全体像はつかめないはずです。ここでは職種名の表現、原稿の改変、利用者への金銭提供、順位決定ロジックの開示という4つの論点を順に見ていきます。
職種名を「盛る」施策は、指針もGoogleも同じ理由で退けている
職業安定法の指針第四の二は、職種や業種について実際の業務内容と著しく乖離する名称を用いてはならないと定めています。Googleの求人情報コンテンツポリシーでも、役職や職務明細でのキーワードの乱用は不当表示の例です。 titleプロパティのガイドラインも、求人コードや住所、給与、会社名を含めないよう求めています。「著しく」という指針の要件を落とさずに読み取りましょう。
- 「職種又は業種について、実際の業務の内容と著しく乖離する名称を用いてはならないこと。」
- 「役職、職務明細、その他の詳細情報でキーワードの乱用を行い、検索ランキングを不正に操作する。」
- 「title プロパティには、求人コード、住所、日付、給与、会社名は含めないでください。」
求人原稿を無断でリライトする施策は指針違反になり得る——承諾を得れば改変できる
指針第八の二の(三)は、募集情報等提供事業を行う者が、情報の提供を依頼した者の承諾なく情報を改変して提供してはならないと定めています。求人原稿のタイトルにキーワードを足す、本文を書き直すといった施策は、依頼者の承諾がなければ指針違反になり得ます。 逆に言えば、掲載規約等であらかじめ承諾を得ていれば改変は可能です。主語は募集情報等提供事業者側であり、自社の採用サイトはこの規定の対象外です。
- 「募集情報等提供事業を行う者は、労働者の募集に関する情報又は労働者になろうとする者に関する情報について、当該情報の提供を依頼した者の承諾を得ることなく当該情報を改変して提供してはならないこと。」
利用者への金銭提供による勧奨(お祝い金)は2025年4月から原則禁止
厚生労働省は、募集情報等提供事業者が求職者に金銭やギフト券等を提供することを原則禁止とし、利用料金や違約金の定めを募集主にあらかじめ明示するよう求めています。この新しいルールへの対応は、令和7年4月1日から必要になりました。 指針はお祝い金その他これに類する名目で、社会通念上相当と認められる程度を超えた金銭等の提供を禁じています。「一切禁止」ではなく「原則禁止」の二段構えです。
- 「募集情報等提供事業者は、労働者になろうとする方に金銭やギフト券等を提供することは原則禁止となるほか、利用料金や違約金に関する定めを、募集主に誤解が生じないようあらかじめ明示することが必要となります。」
- 「令和7年4月1日から対応が必要となりますので、新ルールに向けた取り組みをお願いします。」
求人サイト自身の順位決定ロジックの情報提供は努力義務
職業安定法第43条の6は、募集情報等提供事業を行う者に対し、的確な表示に関する事項や苦情の処理に関する事項について、情報の提供を行うよう努める義務を課しています。施行規則第31条の4は、その事項の一つに順位の決定に用いる主要な事項を挙げ、広告宣伝の費用が順位に影響する場合はその旨を含むとしています。 検索エンジンの順位を語る媒体自身が、自サイト内の並び順の決め方の開示を努力義務として負う構造です。
- 「厚生労働省令で定めるところにより、労働者の募集に関する情報の的確な表示に関する事項、苦情の処理に関する事項その他厚生労働省令で定める事項に関し情報の提供を行うように努めなければならない。」
出典:職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等がその責務等に関して適切に対処するための指針(平成11年労働省告示第141号)|厚生労働省、職業安定法施行規則(昭和二十二年労働省令第十二号)|e-Gov法令検索、求人検索用の求人情報(JobPosting)の構造化データ|Google 検索セントラル、職業安定法に基づく省令及び指針を一部改正しました|厚生労働省
求人ページに書くべき法定項目——労働条件の明示義務から逆算する

求人ページの情報量は、SEOの網羅性だけで語るべきではないはずです。求人票に何を書くかは、募集の段階と契約の段階で根拠となる法律が分かれており、それぞれ明示すべき事項が定められています。ここでは「求人ページに何を書くべきか」を、法令が定める必須記載事項の側から整理します。 表現の話から、記載事項そのものの話へ移りましょう。
職業安定法は募集に当たり労働条件の明示を義務づけている
職業安定法第5条の3第1項は、募集主・職業紹介事業者側に対し、求職者等にその者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示するよう義務づけています。この明示義務を負うのは募集主・職業紹介事業者側であり、求人サイトそのものには課されていません。 求人サイト側の義務が置かれているのは、別の条文である第5条の4です。
求人ページの必須記載事項——2024年4月に「変更の範囲」等が追加された
職業安定法施行規則第4条の2第3項は、募集時に明示すべき事項を第一号から第九号まで定めています。受動喫煙を防止するための措置や、雇用しようとする者の氏名または名称も並んでおり、求人ページから抜けやすい項目です。 厚生労働省は令和6年4月1日から、業務・就業場所の変更の範囲と有期労働契約の更新基準の明示も必要になったとしています。網羅性を足すより先に、法令の項目を漏らさず並べましょう。
- 労働者が従事すべき業務の内容に関する事項(従事すべき業務の内容の変更の範囲を含む)
- 労働契約の期間に関する事項/試みの使用期間に関する事項/有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項
- 就業の場所に関する事項(就業の場所の変更の範囲を含む)
- 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項
- 賃金(臨時に支払われる賃金・賞与等を除く)の額に関する事項
- 健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険の適用に関する事項
- 労働者を雇用しようとする者の氏名又は名称に関する事項
- 労働者を派遣労働者として雇用しようとする旨
- 「就業の場所における受動喫煙を防止するための措置に関する事項」
契約時の明示は労働基準法——求人広告段階とは別の条文
労働基準法施行規則第5条第2項は、使用者が労働者に明示する労働条件を事実と異なるものとしてはならないと定めています。求人広告の段階を規律するのは職業安定法第5条の3であり、労働契約の締結時を規律する労働基準法とは別の条文です。この2つを混同してはいけません。 指針は、原則として求職者等と最初に接触する時点までに従事すべき業務の内容等を明示するよう求めています。
- 「使用者は、法第十五条第一項前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件を事実と異なるものとしてはならない。」
- 「原則として、求職者等と最初に接触する時点までに従事すべき業務の内容等を明示すること。」
出典:職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)|e-Gov法令検索、職業安定法施行規則(昭和二十二年労働省令第十二号)|e-Gov法令検索、労働基準法施行規則(昭和二十二年厚生省令第二十三号)|e-Gov法令検索、令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます|厚生労働省
掲載終了した求人の扱い——求人サイト側の更新措置と法令・Google双方の「速やかな終了」

求人サイトの現場では、「古い求人ページもSEO資産だから残す」という判断が取られることがあります。しかしこれは、法令とGoogleの公式ポリシーの両方から正面から否定される判断です。 しかも掲載終了の運用では、求人サイト運営者と募集主とで課される義務そのものが違うという事情もあります。ここでは求人サイト側・募集主側・Google側の3つの視点から順に整理しましょう。
求人サイト側には情報を最新に保つための措置が施行規則で定められている
施行規則第4条の3第4項は、募集情報等提供事業を行う者に、類型ごとの2つの措置のいずれかを講じるよう求めています。依頼を受けて掲載する事業者なら終了時の通知依頼か情報の時点の明示、依頼を受けずに収集する事業者なら収集・更新の頻度か収集時点の明示が選択肢です。これは「更新日を出すと鮮度シグナルになる」というSEOの俗説ではなく、法令上の措置です。 指針はいずれも講ずることが望ましいとしています。
- 「労働者の募集に関する情報の時点を明らかにすること。」
- 「労働者の募集に関する情報を定期的に収集し、及び更新し、並びに当該収集及び更新の頻度を明らかにすること。」
指針は募集終了時に「速やかに情報提供を終了する」ことを求めている
指針第四の三は、労働者の募集を行う者及び募集受託者に対し、募集を終了または変更したときは情報の提供を速やかに終了・変更し、提供を依頼した募集情報等提供事業者にも終了や変更を依頼するよう求めるものです。この義務の主語は募集主側であり、前項で見た求人サイト側の措置とは主語も義務内容も異なります。 求人サイト側の検知の仕組みは、この依頼が届く前提で設計されている点も押さえておきましょう。
- 「労働者の募集を終了した場合又は労働者の募集の内容を変更した場合には、当該募集に関する情報の提供を速やかに終了し、又は当該募集に関する情報を速やかに変更するとともに、当該情報の提供を依頼した募集情報等提供事業を行う者に対して当該情報の提供を終了するよう依頼し、又は当該情報の内容を変更するよう依頼すること。」
Googleは期限切れ求人にvalidThrough・404/410・構造化データ削除のいずれかを求めている
Googleの求人情報コンテンツポリシーは、期限切れの求人情報を掲載できないとし、ページを削除するのが理想だと述べています。削除しない場合はvalidThroughプロパティに過去の値が入っているかを確認する、という代替手段も示されています。 さらに、タイムリーな措置を講じないと手動による対策が必要になる場合があるとも明記されており、対応は3つの方法のいずれか1つで十分です。
- 「期限切れの求人情報は掲載できません。ウェブサイトから期限切れの求人情報を削除するのが理想ですが、削除しない場合は、validThrough プロパティに値が設定されていることと、過去の値であることを確認してください。」
- 「すでに応募を受け付けていない求人は、次のいずれかの方法で終了する必要があります。終了した求人に対してタイムリーな措置を講じないと、手動による対策が必要になる場合があります。」
掲載終了ページを残すとクロールバジェットにも影響しうる
Googleは、404ステータスコードを、対象のURLを再度クロールしないよう強く求めるシグナルだと説明しています。「消すとSEO上の損失になる」という理解とは逆に、終了ページの削除はクロールの配分を整える方向に働きます。 求人サイトは、クロールバジェットのガイドが対象読者に挙げる規模にも該当しやすい類型です。ただし数値は正確なしきい値ではなく、大まかな目安とされています。
- 「Google は認識している URL を無視することはありませんが、404 ステータス コードは、対象の URL を再度クロールしないことを強く求めるシグナルです。」
- 「中規模以上(重複のないページが 1 万以上)で、コンテンツがかなり頻繁に(毎日)更新されるサイト」
出典:職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)|e-Gov法令検索、職業安定法施行規則(昭和二十二年労働省令第十二号)|e-Gov法令検索、職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等がその責務等に関して適切に対処するための指針(平成11年労働省告示第141号)|厚生労働省、求人検索用の求人情報(JobPosting)の構造化データ|Google 検索セントラル、クロール バジェットを最適化する|Google クロール インフラストラクチャ
JobPosting構造化データとGoogleしごと検索の技術要件

技術面では、「構造化データを入れる」だけで終わらせず、正確な仕様を押さえておきましょう。ECサイトのSEO対策は何が違う?自社ECとモール出店の構造から解説で扱ったカテゴリページ・商品詳細ページの大量生成という構造は、求人一覧・求人詳細ページの関係とよく似ています。この章で扱うのは、必須プロパティの定義から一覧ページへの誤設置までです。
JobPostingの必須プロパティは5つ——一覧ページには置けない
Googleが挙げるJobPosting構造化データの必須プロパティは、title・datePosted・description・hiringOrganization・jobLocationの5つです。同時に、構造化データは可能な限り最も詳細なリーフページに実装し、求人リストを提供することを目的としたページには追加しないよう明記しています。 一覧ページにも入れれば露出が増えるという説明は誤りです。
- 「JobPosting 構造化データを求人情報のウェブページに追加すると、求職に関するエクスペリエンスを向上させることができます。」
- 「構造化データは、可能な限り最も詳細なリーフページに実装します。求人リストを提供することを目的としたページ(検索結果ページなど)には追加しないでください。」
Googleの求人検索機能は日本でも提供されている——「Googleしごと検索」は通称
Googleは、求人検索機能を利用できる地域が世界中に広がっているとし、アジアの提供地域の一覧に日本を挙げています。公式ドキュメントの表記は「Google の求人検索機能」「求人検索エクスペリエンス」であり、「Googleしごと検索」は日本での通称です。 提供地域に入っていることと、実際に自社の求人が表示されることはまったくの別問題です。
- 「Google の求人検索機能をご利用いただける地域は世界中に広がっています。現在、以下の地域でご利用いただけます。」
雇用主の評価を公開するならEmployerAggregateRatingを追加する
Googleは、サイトで採用企業のユーザーによる評価を公開する場合にEmployerAggregateRating構造化データを追加するよう案内しています。口コミ・評価を扱う求人サイト向けの専用スキーマですが、導入すれば必ず表示されるとは限りません。 評価を掲載するなら、有害・法令違反の情報を止める事業者側の義務とあわせた確認が要る領域です。
- 「サイトで採用企業のユーザーによる評価を公開する場合は、EmployerAggregateRating 構造化データをサイトに追加してください。」
出典:求人検索用の求人情報(JobPosting)の構造化データ|Google 検索セントラル、雇用主の総合評価(EmployerAggregateRating)の構造化データ|Google 検索セントラル
Indexing APIとクロール管理の実務——ファセットナビゲーションとスパムポリシー

技術パートの後半は、新着求人の早期インデックス化とクロール管理を扱います。SaaSのSEO対策は獲得だけでいい?解約防止まで見据えた進め方を解説で見たように、求人サイト自体がSaaS・DB型プロダクトであることも多く、機能ページ設計の考え方が近い領域です。Indexing APIの対象範囲の限定性から、ファセットナビゲーションの管理まで順に確認します。
Indexing APIが使えるのはJobPostingとBroadcastEventだけ——既定枠は1日200件
Googleは、Indexing APIをJobPostingが追加されたページ、またはVideoObjectにBroadcastEventが埋め込まれたページのクロールにのみ使用できると定めています。Indexing APIを使えば何万件でも即インデックスできる、という理解は誤りです。 1日あたりのpublishリクエストのデフォルト値は200件で、増枠を受けるには申請が要る設計です。
- 「Indexing API は、JobPosting が追加されたページ、または VideoObject に BroadcastEvent が埋め込まれたページをクロールするためにのみ使用できます。」
- 「デフォルト値は 200 に設定されています。」
求人サイトはクロールバジェットのガイドが対象とする規模に該当しやすい
前章で触れたとおり、クロールバジェットのガイドは中規模以上のサイトを対象読者に含めています。「クロールバジェットは気にしなくていい」という一般論は、毎日更新される大規模な求人サイトには当てはまりません。 ただし1万ページという数値は正確なしきい値ではなく、大まかな目安です。求人が毎日追加・終了する構造そのものが、クロールの配分を圧迫しやすい要因になります。
エリア×職種の絞り込みURLはファセットナビゲーション——robots.txtと404で管理する
Googleは、ファセットナビゲーションのURLパラメータに基づく一般的な実装では無限のURLスペースが生まれ、サイトに悪影響が及ぶ場合があると説明しています。エリア×職種×雇用形態の絞り込みURLは、まさにこの典型例です。 対処としてrobots.txtでのクロール禁止や、区切り文字への「&」の使用が挙げられています。該当求人が0件になる組み合わせでは、404を返す運用も示されました。
- 「ファセット ナビゲーションは人気のある便利な機能ですが、URL パラメータに基づく一般的な実装方法では無限の URL スペースを生成してしまい、ウェブサイトに次のような悪影響を及ぼすことがあります。」
- 「robots.txtを使用してファセット ナビゲーション URL のクロールを禁止する。」
- 「業界標準の URL パラメータの区切り文字「&」を使用してください。」
- 「フィルタの組み合わせで結果が返されない場合は、HTTP 404 のステータス コードを返します。」
大量生成・誘導ページのスパムポリシーと求人ページの距離
Googleは、大量生成されたコンテンツの不正使用を、ユーザーをサポートするのではなく検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを生成することだと定義しています。求人ページが大量にあること自体はスパムではなく、問題になるのは実在の求人に対応しない組み合わせページの自動生成です。 誘導ページの不正使用の例には、地域や都市ごとのページを複数持って1つのページへ誘導する形も挙げられています。
- 「大量生成されたコンテンツの不正使用とは、ユーザーをサポートすることではなく、検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを生成することを指します。」
- 「特定の地域や都市を対象としたドメイン名やページを複数持ち、それらのドメインから 1 つのページにユーザーを誘導する」
他社求人の転載とハローワーク求人の出所明記
エリア×職種のページを持つこと自体は、実在の求人が対応し、そのページ内で応募まで完結するなら誘導ページには当たりません。問題になるのは、他社の求人原稿を集めて並べただけのページを大量に持つ運用です。 職業安定法の指針第四の五は、ハローワークの求人情報を転載する場合に出所の明記と、転載した者の氏名または名称・所在地・電話番号の明示も求めています。
出典:Indexing API クイックスタート|Google 検索セントラル、割り当ておよび承認のリクエスト|Indexing API ドキュメント(Google 検索セントラル)、クロール バジェットを最適化する|Google クロール インフラストラクチャ、ファセット ナビゲーション URL のクロール管理|Google クロール インフラストラクチャ、Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー|Google 検索セントラル、職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等がその責務等に関して適切に対処するための指針(平成11年労働省告示第141号)|厚生労働省
求人票の年齢・性別表現とSEOキーワードの衝突——書ける範囲を正しく知る

「20代 転職」「女性 活躍」のような属性キーワードは検索需要が大きい一方、求人票にそのまま書けるとは限りません。年齢や性別による募集の制限には、労働施策総合推進法と男女雇用機会均等法という明確な根拠法があり、それぞれの指針が禁止される表示の例まで具体的に示しています。ここでは両法とその指針が、どこまでを許容し、どこからを禁じているかを整理しましょう。
年齢を理由にした募集制限は原則禁止——ただし省令が定める例外がある
労働施策総合推進法第9条は、厚生労働省令で定めるときは、募集及び採用について年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならないと定めています。この省令が「次の各号に掲げるとき以外のとき」と定めているため、例外に当たらない限り年齢制限は禁止されるという構造です。 例外に当たるのは、定年を下回ることを条件とした無期雇用の募集や、法令上の年齢制限業務についての募集などです。
- 「事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。」
性別を理由にした募集制限も原則禁止——指針は「男性歓迎」を名指しで挙げている
男女雇用機会均等法第5条は、募集及び採用について性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならないと定めています。均等法の指針は、男女のいずれかを表す職種の名称を用いることや「男性歓迎」「女性向きの職種」といった表示を、排除していると認められる例として名指しで挙げています。 ただし対象を男女のいずれかのみとしないことが明らかな場合は除く、という除外規定つきです。
- 「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。」
- 「募集又は採用に当たって、男女のいずれかを表す職種の名称を用い(対象を男女のいずれかのみとしないことが明らかである場合を除く。)、又は『男性歓迎』、『女性向きの職種』等の表示を行うこと。」
属性で絞る代わりに職務要件を明示する——2026年4月から公表義務も拡大
労働施策総合推進法施行規則第1条の3第2項は、募集・採用に係る職務の内容や必要とされる適性・能力・経験・技能の程度を、できる限り明示するよう定めています。年齢で絞れないぶん、職務内容や求められる経験・技能の程度を具体的に書くことが、法令の側が支持する書き方です。 厚生労働省は、従業員数101人以上の企業に男女間賃金差異と女性管理職比率の情報公表を義務づけ、令和8年4月1日施行としています。
- 「従業員数101人以上の企業は、『男女間賃金差異』及び『女性管理職比率』の情報公表が義務となります。」
出典:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律|e-Gov法令検索、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律|e-Gov法令検索、労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針(平成18年厚生労働省告示第614号)|厚生労働省、ハラスメント対策・女性活躍推進に関する改正ポイントのご案内|厚生労働省
合同会社ワンブリマーケティングについて
合同会社ワンブリマーケティングは、SEO・オウンドメディア運用・生成AI活用支援を専門とする企業です。求人サイト・採用サイト運営者のように、職業安定法の届出制や「的確な表示」の指針といった業種固有の一次情報を踏まえたサイト運営が必要な事業者を中心に、キーワード設計から記事制作、更新運用の設計までを一貫して支援しています。自社に合った進め方を相談したい方は、お問い合わせからご連絡ください。
求人サイトのSEO対策についてよくある質問
Q1. 求人サイトのSEOとは何ですか?
求人サイトのSEOとは、職業安定法の「募集情報等提供」に当たり得る求人サイトが、検索結果での表示を改善するための施策全般を指します。厚生労働省の集計(速報値)では、事業概況報告書を提出した特定募集情報等提供事業者は1,283事業者(令和7年6月時点)で、求人情報は延べ1億2,653万件です。 施策を検討する前に、自社がどの類型に当たるかを確認しておきましょう。
Q2. 求人サイトと採用サイトでSEO対策はどう違いますか?
求人サイト(募集情報等提供)と自社の採用サイト(労働者の募集)は、職業安定法上まったく別の類型です。求人サイトは求職者情報を集める場合に厚生労働大臣への届出が必要になる一方、自社採用サイトに届出義務はありません。 ただしどちらにも「正確かつ最新の内容に保つ」という条文が別々にかかるため、混同は禁物です。
Q3. Googleしごと検索(JobPosting構造化データ)に対応しないと不利になりますか?
Googleは、JobPosting構造化データを追加すると求職に関するエクスペリエンスを向上できるとしていますが、対応していないことが直接の不利益になると断定できる一次資料はありません。 対応する場合は、title・datePosted・description・hiringOrganization・jobLocationの5つの必須プロパティを、求人詳細ページに正しく実装する必要があります。
Q4. 募集が終了した求人ページはどう処理すればいいですか?
求人サイト側には情報を最新に保つための措置が施行規則で、募集主側には募集終了時に速やかに情報提供を終了する義務が指針で、それぞれ課されている点が前提です。Googleは、validThroughを過去日付にする、ページを404・410で削除する、JobPosting構造化データを削除するのいずれかを求めています。 3つの方法はいずれか1つで十分です。
Q5. 求人票の年齢・性別に関する表現はSEO対策と両立できますか?
年齢・性別を理由にした募集の制限は、労働施策総合推進法・均等法とその指針で原則禁止されています。均等法の指針は「男性歓迎」「女性向きの職種」等の表示を名指しで排除の例に挙げていますが、年齢には省令が定めた例外もあります。 属性で絞る代わりに、職務内容や求められる経験・技能の程度を具体的に書く方向で検討しましょう。
まとめ:求人サイトのSEOは法令の理解を土台に確実に進めよう
求人サイトのSEOは、職業安定法や均等法などの法令とGoogleの公式ポリシーの両方を理解して初めて安全に進められます。求人サイトと採用サイトは法的に別物であり、まず自分がどちらに当たるかを確認しなければなりません。職種名の乖離表現や無断でのリライトは、指針とGoogleの両方が別々の理由で禁じている施策です。掲載終了した求人は、validThrough・404/410・構造化データ削除のいずれかで速やかに終了させましょう。 まずは自社の求人ページの記載事項と掲載終了時の運用ルールを、自社が「求人サイト」「採用サイト」のどちらに当たるかから点検してみてください。
求人サイトの市場を語る統計は複数の系統に分かれていて、単純には比較できないものです。あるBtoB人材サービス業の支援では、有効求人倍率の数字をそのまま求人サイト市場の規模として扱おうとしていた資料に出会ったことがあります。数字を使うときは、出典と調査時点をセットで確認する習慣が要ると考えています。