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外壁塗装のSEO対策|点検商法・措置命令・耐用年数表示の注意点

SEO 公開:2026.08.11 更新:2026.08.16
外壁塗装のSEO対策|点検商法・措置命令・耐用年数表示の注意点のアイキャッチ画像
合同会社ワンブリマーケティング 代表 星野和大
執筆
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

オウンドメディアを自ら立ち上げて売却し、SEOスタートアップの創業メンバーとしてメディアのグロースに従事。事業会社でのマーケティング、フリーランスとしての戦略立案を経て現職。生成AI領域では国内最大の生成AI活用支援コミュニティで講師を務め、企業研修・カンファレンス登壇も多数。

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「地域名×外壁塗装」で上位表示しても問い合わせが増えない、と感じていませんか。外壁塗装のSEO対策には、見込み客が持つ訪問販売への警戒心と、業界特有の表示規制への理解が欠かせません。本記事では、点検商法との向き合い方や実際の措置命令、耐用年数表示のリスクを一次情報から整理しました。読み終える頃には、自社サイトの見直しポイントが分かります。

なぜ外壁塗装のSEOは年々難しくなっているのか

「地域名×外壁塗装」の競争が年々厳しくなっている、と感じている経営者は多いのではないでしょうか。この体感は、国土交通省の建設業許可統計で裏付けられます。建設業許可業者数の全体はピーク時から2割近く減っている一方、塗装工事業の許可業者数だけが突出して増え続けているのです。需要側の統計を見ても、2019年以降に改修工事を行った持ち家は全体の28.8%にのぼります。

建設業許可業者数の推移。全体は平成12年3月末のピークから令和8年3月末までに19.5%減った一方、塗装工事業だけは36,896業者から76,657業者へ倍増していることを示す折れ線グラフ

建設業許可業者数全体が伸び悩むなかで、塗装工事業だけが増え続けている

国土交通省によると、「令和7年度末現在の建設業許可業者数は483,823業者で、前年度からは123業者(0.03%)の増加となりました。」(2026年8月11日時点)。ピーク時である平成12年3月末の600,980業者から▲19.5%減りました。ところが塗装工事業だけは動きが違います。許可業者数は令和8年3月末現在76,657業者で、平成12年3月末の36,896業者から107.8%増えました。

令和8年は前年同月比で2番目に多く増えた業種だった

国土交通省は、「前年同月に比べて取得業者数が増加した許可業種は23 業種となっており、増加数は「解体工事業」が2,255 業者(3.2%増加)と最も高く、以下、「塗装工事業」2,064 業者(2.8%増加)、「内装仕上工事業」2,063 業者(2.3%増加)が続く。」としています。塗装工事業は、前年同月比の増加数が2番目に多い業種でした。

需要の裾野は広い――持ち家の28.8%が改修工事、リフォーム部位で外壁は2位

総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査では、「2019年以降に増改築・改修工事等が行われた持ち家は974万8千戸で、持ち家全体の28.8%となっている。」という結果でした。令和7年度住宅市場動向調査でも、「リフォームを行った部位は「居間・リビング」が最も多く26.3%。次いで「外壁」が20.6%、「トイレ」が19.5%。」としています。外壁は、リフォーム部位のなかで2番目に多く挙がった箇所です。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

「地域名×外壁塗装」の検索結果は年々競合が増えている、と感じている経営者は多いものです。従業員30名規模の塗装会社の支援では、数年前まで上位表示できていた地域名だけのページが、じわじわと順位を落としている場面を確認したことがあります。個別ページの強化だけでなく、競合の絶対数が増えている前提でコンテンツの専門性を底上げする必要があると考えています。

出典:報道発表資料:全国の建設業許可業者数は3年連続で増加~令和7年度末の建設業許可業者数調査の結果~|国土交通省建設業許可業者数調査の結果(詳細)|国土交通省 不動産・建設経済局建設業課建設業許可業者数調査の結果概要(令和8年3月末現在)|国土交通省令和5年住宅・土地統計調査 住宅の構造等に関する集計(確報集計)結果|総務省統計局令和7年度 住宅市場動向調査 報告書|国土交通省 住宅局

検索してくる見込み客は「訪問販売への警戒」を持って来る

「無料点検」をファーストビューのCTAに掲げるサイトは多いものですが、この言葉自体が消費者庁の注意喚起で名指しされている事実はあまり知られていません。国の相談統計上、「塗装工事」は訪問販売トラブルの集計対象そのものです。まずはこの警戒心がどこから来ているのかを、国民生活センターと消費者庁の公的データで確かめましょう。

検索ユーザーが警戒している構造を示す4ステップのフロー図。国の相談統計で塗装工事が訪問販売トラブルの集計対象であること、無料点検が消費者庁の注意喚起で名指しされた甘い言葉であること、屋根と同じ非対称性があること、訪問販売相談の97.5%が契約後の相談であることを順に示す

国の相談集計は「塗装工事」を訪問販売トラブルの対象に含めている

国民生活センターは、「ここでは、「屋根工事」「壁工事」「増改築工事」「塗装工事」「内装工事」の合計を「リフォーム工事」としています。」と説明しています。つまり国の統計上、「塗装工事」は訪問販売トラブルの集計対象そのものです。 2026年8月11日時点(件数は2026年5月31日現在)の集計によると、点検商法は2023年度の12,550件から2024年度は19,249件へ増加しました。

屋根と同じ「外からは見えるが判断できない」非対称性が外壁にもある

国民生活センターは、「屋根は外から見えるので、業者にとっては家の中に入らなくても不具合を確認することができる部分です。」としています。外壁も、外からは見えるのに劣化の程度は施主が判断できないという点で、同じ構造にある部分です。この情報の非対称性が、見込み客の不安の土台になります。 だからこそ、どこを見て何を根拠に劣化を判断したのかをWeb上で説明する価値が生まれるのです。

消費者庁が問題視するのは「甘い言葉だけ」の訴求

消費者庁は、「「自宅の無料点検を行っている」、「保険金を使えば無料で修理できる」などと甘い言葉だけを鵜呑みして契約してしまうと思わぬ落とし穴があります。」と注意を呼びかけています。注意喚起の対象は、無料点検という手法そのものではなく、甘い言葉だけを強調する売り方です。 点検の範囲や所要時間、報告書に何を書くのかまで具体的に示せば、同じ「無料点検」でも読み手の受け取り方は変わります。

相談の97.5%は「契約後」――契約前に判断材料がない

住宅相談統計年報2025は、「相談の時期は、契約時期が判明している訪問販売相談の97.5%が、「契約後の相談」である」と報告しています。相談窓口を頼るのは、ほとんどが契約を終えた後です。 裏を返せば、契約の前に判断材料を得られる場所が足りていません。検索してくる見込み客に対して契約前に確かめられる情報を出す意味は、ここにあるのです。

自社が「訪問販売」に該当していないかも確認する

消費者庁の特定商取引法ガイドは、「「訪問販売」とは、販売業者又は役務提供事業者(※)が、営業所等以外の場所(例えば、消費者の自宅)で契約を締結等して行う商品、特定権利の販売又は役務の提供等のことをいいます。」と定義しています。現地調査のあとに顧客の自宅で契約書へ署名させれば、Web集客中心の会社でも訪問販売に該当しうる取引です。「うちは訪問販売ではない」という前提は、いちど疑ってみてください。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

「無料点検」をファーストビューのCTAに置いているサイトは今も少なくありません。従業員30名規模の塗装会社の支援先で、CTA文言を「点検」から「診断レポートの無料提供」という具体的な表現に変えたところ、問い合わせ時点の警戒感が薄い相談が増えたと感じた場面がありました。言葉そのものが持つ印象を軽視しないほうがよいと考えています。

出典:訪問販売によるリフォーム工事・点検商法(各種相談の件数や傾向)|国民生活センター屋根工事の点検商法のトラブルが増えています|国民生活センター「火災保険を使って実質的に無料で修理ができる」などとうたい、火災保険金を利用した修理工事契約を締結させる事業者に関する注意喚起|消費者庁訪問販売|特定商取引法ガイド(消費者庁)住宅相談統計年報 2025 ― 2024年度の住宅相談と紛争処理の集計・分析|(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター

契約前の判断材料をWebで出す

見込み客が何を知りたがっているかは、公的な相談統計にすでに表れています。住宅相談統計年報2025と住宅市場動向調査という、調査主体も対象も異なる2つの統計が、同じ論点を指し示しているのです。相談の中身をたどれば、自社サイトに何を書けば警戒心が緩むのかを推測ではなく事実から決められます。ここでは2つの調査から、外壁塗装のWebコンテンツで優先すべき内容を絞り込みます。

見積もり相談で聞かれること(単価や合計金額の適正性92.9%・工事内容の適切さ85.2%)と、見積書を取得した事業者数(1社のみ73.9%・2社以上26.1%)を示す2パネルの縦棒グラフ

相談の9割超が「金額は妥当か」を知りたがっている

住宅相談統計年報2025の見積チェックサービスでは、「主な相談内容は、「単価や合計金額は適正か」が92.9%、次いで「工事内容や工事項目は適切か」が85.2%と高くなっている」という結果でした(n=169・複数回答)。住宅市場動向調査でも、「他方、困ったことがあった世帯では「見積もりが適切かどうかわからなかった」が最も多く15.2%。」としています。

国民生活センターは複数社からの見積もりを勧めている

国民生活センターは、「まずは家を建てた工務店等に相談して調査を行ったり、1社からの見積もりだけではなく、複数社から見積もりを取り、比較・検討したりして納得できる業者と契約しましょう。」と呼びかけています。見込み客は、他社と比べる前提で自社サイトを見にくるのです。 比較されて困る情報を伏せるより、比較の土俵に自ら情報を出すほうが有利に働きます。

相談窓口に来る人の7割超は1社からしか見積もりを取っていない

住宅相談統計年報2025によると、見積チェックサービスの相談者について「相談者が見積書を取得した事業者の数は、「1社」の割合が73.9%と最も高くなっている。2社以上から見積書を取得している相談者は26.1%であった」という結果が出ました。これは見積チェックサービス相談者の分布で、発注者全体の分布ではありません。比較材料を持たないまま契約へ進む人が一定数いる、という事実は動きません。

戸建のリフォーム相談で繰り返し名前が挙がるのは外壁

住宅相談統計年報2025によると、戸建住宅のリフォーム相談における不具合事象は、「「戸建住宅」では「はがれ」が最も多く、次いで「雨漏り」「性能不足」が多かった。」という結果でした。この上位3つの事象で「多くみられる部位」として、いずれも外壁が挙がっています。見積もりの単価根拠を示すコンテンツは、優先度の高い施策です。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

見積もりの内訳を公開するのは面倒だと考えている経営者は少なくありません。従業員30名規模の塗装会社の支援先で、下地補修や足場代の内訳ページを新設したところ、初回面談が価格交渉から始まる相談は目に見えて減りました。金額の根拠を先に見せることが、警戒心を解く近道だと感じています。

出典:住宅相談統計年報 2025 ― 2024年度の住宅相談と紛争処理の集計・分析|(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター令和7年度 住宅市場動向調査 報告書|国土交通省 住宅局屋根工事の点検商法のトラブルが増えています|国民生活センター

「今月末まで◯%オフ」が行政処分の対象になる

「今月末まで◯%オフ」「好評につき期間延長」は業界の定番表示ですが、令和7年9月、消費者庁はまさにこの種の表示を理由に外壁塗装業者へ措置命令を行いました。表示の適正化という考え方は不動産のSEO対策は表示規約とどう向き合う?おとり広告対策を解説でも扱いましたが、ここでは外壁塗装業界で実際に起きた行政処分を軸に確認します。

措置命令の対象になった表示構造を示すビフォーアフター図。左に期限内に申込むと期限後より有利な箇所数の内窓設置が無料という表示、右に期限後に申込んでも期限内と同じかそれ以上の箇所数が無料だった実際の運用を対比し、景品表示法第5条第2号(有利誤認)が根拠であることを示す

実際にあった措置命令――「期限内限定」の表示が期限後も同条件だった

消費者庁は令和7年9月、住宅の外壁塗装の取引に係るウェブサイト表示が景品表示法第5条第2号(有利誤認)に当たるとして、措置命令を行いました。対象の表示は、期限内に申し込んだ場合に限り有利な箇所数の内窓設置が無料になると読める内容です。ところが実際には、期限後に申し込んでも同じかそれ以上の箇所数が無料で提供されていました。キャンペーンを延長し続けたことが、有利誤認の根拠になった事例です。

「◯◯円〜」の価格表示に必要な3つの要件

消費者庁の価格表示ガイドラインは、「販売価格に関する表示を行う場合には、(1)販売価格、(2)当該価格が適用される商品の範囲(関連する商品、役務が一体的に提供されているか否か等)、(3)当該価格が適用される顧客の条件について正確に表示する必要があり」としています。「30坪◯◯万円〜」という表示も、塗料のグレードや足場代・付帯部の有無を明示しなければ、この基準を満たしません。

二重価格表示は「適正なら問題ない」――ただし比較対照価格の裏付けが要る

消費者庁は二重価格表示について、「二重価格表示は、事業者が自己の販売価格に当該販売価格よりも高い他の価格(以下「比較対照価格」という。)を併記して表示するものであり、その内容が適正な場合には、一般消費者の適正な商品選択と事業者間の価格競争の促進に資する面がある。」としています。「今だけ◯%オフ」を一律に違法だと考える必要はなく、問題になるのは比較対照価格の裏付けがない場合です。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

キャンペーン文言は制作会社任せになりがちです。従業員30名規模の塗装会社の支援先で、「期間限定」と書いた文言が実際には常時掲載されていないかを毎月確認する運用に変えたことがあります。表示の責任は制作会社ではなく発注者側にあると考えて対応すべきです。

出典:株式会社創建に対する景品表示法に基づく措置命令について|消費者庁不当な価格表示についての景品表示法上の考え方|消費者庁

「地域No.1」「施工実績No.1」の根拠

「地域No.1」「施工実績No.1」は集客コピーの定番ですが、消費者庁のNo.1表示実態調査は、SEO担当者が思いつきやすい根拠づけの方法そのものを問題視しています。しかもこの調査は、表示を出した広告主自身の確認不足にまで踏み込んだ内容です。調査会社に任せたから安心、という理屈は通りません。No.1表示に求められる合理的根拠と、やってはいけない調査方法を確認します。

No.1表示の合理的根拠となる4条件(比較する商品等の選定・調査対象者の選定・公平な調査方法・表示内容と調査結果の対応)をチェックマークで示し、下部に検索上位◯社との比較のみ・自社顧客だけへのアンケートという2つのNG例を✕マークで示すチェックリスト図

No.1表示が不当表示になる条件――合理的根拠の4つの条件

消費者庁は、「No.1 表示は、これが商品等の内容の優良性又は取引条件の有利性を示す表示でありながら、合理的な根拠に基づかず、事実と異なる場合には、実際のもの又は競争事業者のものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認され、不当表示として景品表示法上問題となる。」としています。合理的根拠と認められる条件として、消費者庁は次の4つを挙げました。

  • 比較する商品等が適切に選定されていること
  • 調査対象者が適切に選定されていること
  • 調査が公平な方法で実施されていること
  • 表示内容と調査結果が適切に対応していること

「検索上位◯社と比較」は合理的根拠にならないと名指しされている

消費者庁は、「インターネット検索により、単に検索結果で上位表示された同種商品等を比較対象として選定しているだけで、市場における主要な同種商品等の一部又は全部を比較対象に含めないまま、調査を行っている場合」を問題視しています。「◯◯市 外壁塗装」で検索して上位数社と比べた結果No.1、という手法は、この指摘に該当しうる方法です。 調査条件を小さく注記すれば済む話ではありません。

自社の顧客だけのアンケートも同じ理由でNG

消費者庁は、「少なくとも、調査対象者は、無作為に抽出された者である必要がある。」としています。自社の施工済み顧客だけを対象にしたアンケートは、この条件を満たしません。満足度が高い層に偏るからです。自社の顧客名簿を母集団にした「顧客満足度No.1」は、根拠として弱いと考えておきましょう。 社員や関係者を調査対象に選ぶ場合も、同じ扱いになります。

「調査会社が適法と言っている」は理由にならない

消費者庁は、「広告主(における担当者)は、「調査のことを聞いても分からない」、「他社も同じ調査会社を利用しているから大丈夫」、「調査会社が適法と言っている」等の理由から、自ら調査内容を十分に確認することもなく、安易に、法的に問題がないものと結論付けてしまっている。」と指摘しています。表示の責任を負うのは調査会社でも制作会社でもなく、表示を出した事業者です。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

「検索上位◯社に比べてNo.1」という訴求は思いつきやすいものです。従業員30名規模の塗装会社の支援先で、根拠のあいまいなNo.1表示を、施工件数と対応エリアの具体的な数字に置き換えたことがあります。曖昧な優位性を主張するより、具体的な事実を積み上げるほうが説得力を持つと感じています。

出典:No.1 表示に関する実態調査報告書|消費者庁表示対策課

耐用年数・保証年数をどう書くか

「30年もつ」「10年保証」といった年数の訴求は業界の定番ですが、この年数を公的に裏付けるデータは存在しません。建設業許可の基本的な仕組みはリフォームのSEO対策は何が違う?ネット依存の誤解と表示規制から解説で扱ったため、ここでは外壁塗装固有の「塗装工事業」という許可区分と、年数表示のリスクに絞って確認します。

『国が外壁塗装は12〜15年ごとと定めている』『塗装工事業=外壁塗装業』『許可がなければ悪質業者』という3つの誤解と、それぞれの正しい理解(12〜15年はマンション大規模修繕の周期であること・塗装工事業は建設業法29業種の1つで外壁以外も含む区分であること・請負代金500万円未満の軽微な工事は許可不要であること)を上下2段で対比するカード図

「12〜15年」は戸建の外壁塗装の根拠にならない

長期修繕計画作成ガイドラインは、「外壁の塗装や屋上防水などを行う大規模修繕工事の周期は部材や工事の仕様等により異なりますが、一般的に12~15 年程度です」としています。これはマンション共用部分の修繕周期であって、戸建住宅の外壁塗装の根拠になる数字ではないのです。 同じ資料は「修繕工事の時期は、早過ぎると不要な修繕となりますし、遅すぎても劣化が進み計画修繕工事費を増加させます。」とも述べています。

裏付けのない年数表示は「誤って」でも規制対象になる

消費者庁によれば、故意に偽って表示した場合だけでなく、誤って表示してしまった場合であっても、優良誤認表示に該当すれば景品表示法の規制対象です。塗料メーカーの資料をそのまま転載した年数表記や、制作会社が作った文言の見落としも、「悪気はなかった」では済まされません。 耐用年数や保証年数を掲げるなら、その数字の出どころを社内で説明できる状態にしておくことが前提です。

塗装工事業は建設業法29業種の1つ

建設業法別表第一には『塗装工事/塗装工事業』という区分が定められています。国土交通省は、「建設工事は、土木一式工事と建築一式工事の2つの一式工事のほか、27の専門工事の計29の種類に分類されており、この建設工事の種類ごとに許可を取得することとされています。」としており、塗装工事業もこの29業種の1つです。請負代金500万円未満の軽微な工事は許可不要です。基準の詳細はリフォーム記事に譲ります。

「塗装工事」は外壁塗装だけを指す区分ではない

国土交通省の告示は、塗装工事の内容を「塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事」と定めています。外壁塗装は「塗装工事」の一部。全部ではありません。同じ告示は「下地調整工事及びブラスト工事については、通常、塗装工事を行う際の準備作業として当然に含まれているものである。」とも示しており、下地調整は塗装工事に当然含まれる作業だと読み取れます。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

「◯年もちます」というコピーは今も見かけます。従業員30名規模の塗装会社の支援先で、年数訴求のページを、下地補修の方法と使用塗料のメーカー公表値を明記した説明ページへ差し替えました。裏付けのない年数を掲げるより、契約前に確認できる情報を厚くするほうがリスクを避けられると考えています。

出典:長期修繕計画標準様式・長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント|国土交通省優良誤認とは|消費者庁建設業法(昭和二十四年法律第百号)|e-Gov法令API業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方|国土交通省建設産業・不動産業:建設業の許可とは|国土交通省

地域名×外壁塗装のローカルSEOとMEO、そして古い前提の棚卸し

地域名×外壁塗装のページを量産すれば上位表示できる、という発想は根強くありますが、ローカル検索の仕組みを踏まえると効果には限界があります。MEOとの役割分担は飲食店のSEO対策は何が違う?MEOとの役割分担と表示規制から解説、商圏設計は工務店のSEO対策は何を優先する?商圏の狭さと表示規制から解説で扱ったため、ここでは特に間違えやすい3つの前提をGoogle公式ドキュメントで確かめました。

『掲載料を払えば上位表示できる』『対応エリアを広げれば検索順位も上がる』『FAQを入れればリッチリザルトが出る』という3つの誤解と、それぞれの正しい理解(検索結果への掲載は無料であること・ローカル検索の距離要素はユーザーからの距離で事業者側は操作できないこと・よくある質問のリッチリザルトは2026年5月7日に表示終了したこと)を上下2段で対比するカード図

「掲載料を払えば上位表示できる」は存在しない話

Googleは、「Google 検索の検索結果にページが表示されても一切料金は発生しません。」としています。「掲載料を払えば上位表示できる」という営業トークは、Google自身の説明と真っ向から矛盾する主張です。 また、ローカル検索結果について「ローカル検索結果は、主に関連性、距離、知名度に基づいて表示されます。」とも説明しています。

知事許可でも全国で施工できるが、Googleの「距離」は動かせない

許可の種類と、検索で表示される範囲は別の話です。国土交通省は、「大臣許可と知事許可の別は、営業所の所在地で区分されるものであり、営業し得る区域または建設工事を施工し得る区域に制限はありません。」としています。許可による地域制限はない、ということです。Googleは、「距離とは、検索しているユーザーから各ビジネス拠点までの距離を指します。」としており、ローカル検索の距離は動かせません。

FAQリッチリザルトはすでに終了している

Googleは、よくある質問のリッチリザルト機能について「この機能は、2026 年 5 月 7 日をもって Google 検索に表示されなくなるためです。」と告知しています。「FAQを入れればリッチリザルトが出る」という前提は、すでに成り立ちません。 構造化データそのものに意味がないわけではありませんが、検索結果の見た目が変わることを目的に入れる段階は終わりました。

施工実績は「独自の情報」になる

コンテンツの自己評価の問いとして、Googleは「コンテンツは、独自の情報、レポート、研究または分析の結果を提示しているものですか。」を挙げています。施工前後の写真、見積書の内訳、下地の劣化診断の記録は、他社には書けない独自情報です。外壁塗装は、独自情報の材料が現場に大量にある業種です。 なお、GoogleはE-E-A-T自体がランキングに直接影響する要因ではないとも説明しています。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

FAQを入れればリッチリザルトが出る、という営業提案を目にすることがあります。ある事業者の支援先で同様の提案書を見た際、Google公式の更新履歴を確認したところ、すでに終了していたことが分かりました。かつての通説を続けていないか、公式ドキュメントで定期的に確かめる運用が必要だと考えています。

出典:Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント|Google ビジネス プロフィール ヘルプGoogle 検索の基本事項|Google 検索セントラルGoogle 検索セントラル ドキュメントの更新履歴・最新情報一覧|Google 検索セントラル建設産業・不動産業:建設業の許可とは|国土交通省

合同会社ワンブリマーケティングについて

合同会社ワンブリマーケティングは、SEO・オウンドメディア運用・生成AI活用支援を専門とする企業です。価格表示・訪問販売・建設業許可・No.1表示という業界特有の規制と、自社の情報発信をどう両立させるかに悩む外壁塗装会社や住宅設備会社を中心に、キーワード設計から記事制作、効果測定までを一貫してサポートしています。 自社の状況に合わせた進め方を相談したい方は、お問い合わせからご連絡ください。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

外壁塗装は表示規制の論点が多く、記事制作の難易度が高い業界だと感じています。景品表示法・特定商取引法・建設業法にまたがる規制を正確に踏まえながら、検索ユーザーの警戒心を解くコンテンツを作るのは簡単ではありません。一次情報にあたる調査に、相応の時間がかかるからです。この手間を代わりに引き受けることが、当社の役割だと考えています。

外壁塗装のSEO対策についてよくある質問

SEO対策でやってはいけないことはありますか?

地域名の不自然な繰り返しや、内容の薄い量産型のエリアページは避けるべきです。加えて外壁塗装業界では、検索上位数社との比較だけを根拠にしたNo.1表示や、裏付けのない年数表示に景品表示法上のリスクがあります。制作を外注していても、表示の責任を負うのは掲載した事業者の側になります。表現の目立ちやすさより、根拠の有無を先に確認しましょう。

SEO対策の月額費用はいくらですか?

公的機関が公表している外壁塗装のSEOの費用相場データはありません。Googleは「Google 検索の検索結果にページが表示されても一切料金は発生しません。」としているため、「掲載料を払えば上位表示できる」といった営業トークは鵜呑みにしないようにしましょう。 金額の妥当性は、対応範囲と実績をもとに個別に判断しましょう。

SEO対策はオワコンですか?

Googleは「SEO は、検索エンジンではなくユーザーを第一に考えたコンテンツに適用した場合に効果を発揮します。」としています。契約前の判断材料を求める動きがある限り、正確な一次情報を発信する土台としてのSEOは有効なままです。ただしFAQのリッチリザルト終了など前提が変わった部分もあるため、古い成功体験をそのまま続けていないか確認する必要があります。

屋根塗装や防水工事とは分けて考えるべきですか?

建設業法上、「塗装工事」は塗料・塗材の吹き付けや貼り付け工事と定義され、屋根工事や防水工事とは別の区分です。ただし実務では合わせて相談されます。住まいるダイヤルの見積チェックサービスでも、戸建住宅の主なリフォーム部位は屋根57.1%、次いで外装46.8%でした。国民生活センターも、屋根工事契約後に外壁工事や塗装工事等を勧める次々販売を指摘しており、注意喚起の視点を持って情報発信する必要があります。

訪問販売や無料点検商法との違いをサイトでどう説明すればよいですか?

消費者庁の特定商取引法ガイドは、営業所等以外の場所で契約を締結する取引を訪問販売と定義しています。現地調査後に顧客の自宅で契約書に署名させれば、Web集客をしている会社でも訪問販売に該当しうる点にまず留意すべきです。そのうえで「無料点検」を含む甘い言葉だけを強調せず、契約前の判断材料を厚くすることが警戒心を解く近道になります。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

よくある質問は検索結果対策のためだけに作られがちです。従業員30名規模の塗装会社の支援先で、実際の問い合わせで多い質問をヒアリングしてFAQを作り直したところ、想定外の質問(許可の有無や工期の目安)が上位に来た経験があります。社内の想定と実際の疑問にはずれがあると考えて作るべきです。

まとめ:公的データを味方に外壁塗装のSEOを設計しよう

外壁塗装のSEO対策は、一般的なSEO論だけでなく、見込み客の訪問販売への警戒心と、景品表示法・建設業法という業界特有の規制を踏まえて初めて機能します。「塗装工事」は国の統計上、訪問販売トラブルの集計対象になっている業界だと知らないまま、検索してくる見込み客は警戒心を持っています。 「今月末まで◯%オフ」「地域No.1」「◯年保証」といった定番の訴求表現には景品表示法上のリスクがあり、見積もりの内訳や許可区分といった契約前の判断材料を示すことが、警戒心を解く最も直接的な手段です。まずは自社サイトの表示文言や見積もり情報の公開状況を洗い出すところから始めてみましょう。

星野 和大
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表
オウンドメディアを自ら立ち上げて売却し、SEOスタートアップの創業メンバーとしてメディアのグロースに従事。事業会社でのマーケティング、フリーランスとしての戦略立案を経て現職。生成AI領域では国内最大の生成AI活用支援コミュニティで講師を務め、企業研修・カンファレンス登壇も多数。
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自社の場合はどうか、一緒に見ます

初回相談は無料です。現状を伺い、何から着手すべきかを整理します。