整骨院のSEO対策では、施術方法や症状の説明をどこまで書いてよいか迷う場面が多いはずです。結論から言えば、自院のウェブサイトは原則として柔道整復師法の広告規制の対象外。本記事では対象外になる理由と、それでも守るべき表現のライン、保険(療養費)の書き方を整理します。読み終えれば、自院サイトで書ける範囲を法的根拠つきで判断できるようになります。
整骨院にSEO対策が必要な理由――施術所は50,924か所、増加はほぼ止まっている

整骨院のSEO対策を検討する背景にあるのは、集客環境そのものの変化です。厚生労働省の統計を見ると、柔道整復の施術所数はここ数年ほとんど増えていない一方、就業する柔道整復師の数は増え続けています。開業の数が頭打ちになっても、同じ商圏で働き手は増える。限られた検索需要をどう取りにいくかという課題に直結するため、まずは業界全体の数字から確認しましょう。
柔道整復の施術所数は50,924か所(令和6年末)、増加はほぼ止まっている
厚生労働省の令和6年衛生行政報告例によると、「「柔道整復の施術所」は50,924 か所で、前回に比べ8 か所(0.0%)増加している。」とあります。平成26年の45,572か所から平成30年の50,077か所までは1年あたり1,000か所を超えるペースで増えていましたが、令和2年以降は伸びが鈍化。令和4年から6年の増加はわずか8か所にとどまり、新規開業で席を取る戦い方は成立しにくくなっています。
就業柔道整復師数は78,666人(前回比+1,034人)――施術所は横ばいでも人は増えている
同じ報告例は、「就業柔道整復師(以下「柔道整復師」という。)は78,666 人で、前回に比べ1,034 人(1.3%)増加している。」と記録しています。施術所の増加が8か所にとどまる一方、柔道整復師は1,034人増えました。開業の数と担い手の数が、別々の動きをしている。 この差が何を意味するかまでは統計に書かれていないため、ここでは解釈を加えず事実として押さえておきます。
出典:令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況 結果の概要「3 就業あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師及び施術所」|厚生労働省
整骨院のウェブサイトは、原則として柔道整復師法の広告規制の対象外――ここがクリニックと決定的に違う

医療広告は列挙した事項だけを広告可能とするポジティブリスト方式で規制されており、この一般論はクリニックのSEO対策はどこまで書ける?医療広告等ガイドラインから解説で扱いました。整骨院にも似た構造がありますが、根拠となる法律もウェブサイトの扱いも別物です。病院や診療所が限定解除という仕組みで自院サイトに詳しく書けるのに対し、整骨院はウェブサイトがそもそも規制の外に置かれています。
柔道整復師法第24条は「広告してよいこと」だけを定めるポジティブリスト方式
柔道整復師法第24条第1項は、「柔道整復の業務又は施術所に関しては、何人も、文書その他いかなる方法によるを問わず、次に掲げる事項を除くほか、広告をしてはならない。」と定めています。広告できるのは氏名・住所、施術所の名称・電話番号・所在地、施術日時、告示の指定事項の4種のみ。さらに第2項では、このうち氏名・住所と施術所の名称等を広告する場合でも、技能・施術方法・経歴には触れられません。
広告の該当性は「誘引性・特定性・認知性」の3要件をすべて満たすかで判断される
あはき・柔整広告ガイドラインは、「あはき師法第7条及び柔整師法第24 条の対象となるあはき・柔整に関する広告の該当性については、次の①から③までの要件のいずれも満たす場合に該当するものと判断されたい。」としています。3要件は誘引性・特定性・認知性で、1つでも欠ければ広告に該当しません。医療機関を対象とする医療広告等ガイドラインは3つ目の要件が異なり、この違いがウェブサイトの扱いを分ける分岐点。
自らURLを入力・検索して見にいくウェブサイトは、原則として広告と見なされない
同ガイドラインは、ウェブサイトを見る人は自分でURLを入力したり検索したりして情報を取りにいくため、3要件のうち認知性を満たさないという整理を示しています。原文は次のとおり。
- 「インターネット上の施術所等のウェブサイト等は、当該施術所等の情報を得ようとの目的を有する者が、自らURLを入力したり、検索サイトで検索した上で閲覧するものであるため、本指針Ⅱの1に掲げた③の「認知性」を満たさないものとして、従来情報提供や広報として扱ってきた。これらについては、引き続き原則として広告とは見なさないこととする。」
看板やチラシには書けない施術方法の説明や院長の経歴を、検索から来る自院サイトには書ける。 これが整骨院のSEOに投資する法的な合理性の根拠です。ただし後述のとおり、掲載すべきでない事項の制約は受けます。
医療広告等ガイドラインが対象とするのは病院・診療所――施術所への言及はない
医療広告等ガイドラインが規制するのは、「③ 医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する内容であること」を満たす広告です。整骨院は施術所にあたるため、この定義から外れます。同ガイドライン(全48ページ)を機械カウントしても、「施術所」「柔道整復」の語は0件。「整骨院も医療広告ガイドラインの対象」という説明は誤りです。 なお、あはき・柔整広告ガイドラインは同指針を参考に作られた別の指針です。
出典:あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(あはき・柔整広告ガイドライン)|厚生労働省、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)|厚生労働省、柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)|e-Gov法令API
ただし「規制対象外=自由」ではない――広告費をかけるほど書ける内容が狭くなる

業法による広告規制とSEOをどう両立させるかは、士業のSEO対策は広告規制とどう両立する?表現の線引きを解説でも扱った論点です。整骨院の場合、ウェブサイトが規制対象外であることだけを取り出すと、重大な誤読につながります。同じ内容を発信していても、媒体が変われば扱いは正反対になる。 広告・SNS・体験談の3つを順に見ていきます。
リスティング広告・バナー広告からリンクした自院サイトも、広告として扱われる
あはき・柔整広告ガイドラインは、リスティング広告やバナー広告を規制対象の媒体に挙げています。そのうえで、広告からリンクした自院サイトも、広告と一体的な関係にあるため認知性を満たし、誘引性と特定性も満たす場合には広告として扱う、という整理を示しました。
- 「この場合、バナー広告等にリンクしている施術所等のウェブサイト等についても、バナー広告等と一体的な関係にあることによって一般人が容易に認知できる状態にあることから、本指針Ⅱの1に掲げた③の要件を満たすものであり、さらに本指針Ⅱの1に掲げた①及び②の要件を満たす場合には、広告として取り扱うこと。」
広告費をかけるほど、自院サイトに書ける内容が狭くなる。 広告を出すなら、リンク先のページも広告可能事項の範囲に収める必要が生じます。
SNSへの投稿は、公開範囲を限っても広告として扱われうる
同ガイドラインは、公開範囲を限っていないSNSの書き込みについて、「公開範囲が限られていない場合には、公開時から一般人が認識可能な状態であることから、本指針Ⅱの1に掲げた①から③までのいずれの要件も満たす場合には、広告として取り扱うこと。」としています。公開範囲を限った投稿も、閲覧者の反応で情報が2次的・3次的に伝わることから認知性を満たすとされ、誘引性と特定性も満たす場合には広告になります。
体験談・口コミは、依頼や謝礼があれば「広告」になり掲載できなくなる
同ガイドラインは、「ただし、A施術所からの依頼に基づく手記であったり、A施術所から金銭等の謝礼を受けている又はその約束がある場合には、①の「誘引性」を有するものと判断し、広告として扱うことが適当である。」としています。利用者が自発的に書いた体験談は誘引性を欠くため広告に当たりませんが、依頼や謝礼が絡んだ時点で扱いが変わる。「口コミを書いたら次回割引」のような施策は、この規定に触れます。
出典:あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(あはき・柔整広告ガイドライン)|厚生労働省
ウェブサイトだからこそ書くべきこと・書いてはいけないこと

整骨院のウェブサイトが規制対象外であることは、何を書いても自由という意味ではありません。あはき・柔整広告ガイドラインは、規制対象となる広告に当たらないウェブサイトについても、掲載すべき事項と掲載すべきでない事項を定めています。 罰則を伴う規制ではなく、関係団体の自主的な取組を促すための指針という位置づけ。まずは、検索意図とも重なる「掲載すべき事項」から確認しましょう。
自費施術は費用の範囲とリスクの明示が求められている
同ガイドラインは、自費の施術を扱う施術所等がウェブサイト等に掲載すべき事項として、次の内容を挙げています。
- 「(2) 自費の施術に係る施術の内容、通常必要とされる費用等に関する事項について、情報を提供すること」
- 「(3) 自費の施術に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること」
これに問い合わせ先の明示を加えた3点が対象です。リンク先の別ページに逃がしたり、利点と比べて極端に小さな文字で載せたりする形は控えるようにとも書かれています。料金とリスクを正面から書くことは、費用を調べている来院希望者の検索意図を満たす行為でもある。
虚偽・証明できない表現は掲載できない――「根本治療」「改善率〇%以上」など
同ガイドラインは、内容が虚偽にわたるものや、客観的事実であることを証明できないものを、掲載すべきでない事項として挙げています。具体例として並んでいるのは、次のような表現です。
- 「・ 治ります、元気・健康にします、根本治療、自信があります、〇〇を解決します、○○に効きます、○○の治癒率○○%、理想の体重に、負担をかけずにピンポイントで矯正。」
- 「・ 痛みのない骨盤矯正、痛くない独自の整体術で驚きの効果、安心安全・確かな技術。」
- 「『○%の満足度』『改善率〇%以上』『〇%の人が効果を実感』『たった1 回で効果を実感』『顧客満足度No1』」
数値で効果を示すコピーも、この列挙のなかに具体例として並びます。見逃せないのは、整骨院のサイトで定番になっている言い回しが、そのまま名指しされている点です。(原文の〇〇と○○の表記の違いはそのまま引用しています)
「日本一」「No.1」などの比較優良表現と、口コミの評価操作
他院との比較で自院が優良である旨を示す表現は、仮に事実であっても掲載すべきでない、というのが同ガイドラインの立場です。原文は次のとおり。
- 「『日本一』、『No.1』、『最高』等、特定又は不特定の他の施術所等と自らを比較の対象とし、提供する施術の内容等について、自らの施術所等が他の施術所等よりも優良である旨を示す表現は、仮に事実であったとしても、優良性について利用者を誤認させ、不当に誘引するおそれがあるものであり、ウェブサイト等に掲載すべきでないこと。」
加えて、地図サービス上で自院に有利なコメントを載せるために、利用者へ謝礼を支払ったり依頼したりする行為も同じ節で否定されています。「事実だから問題ない」という理屈は通らない。
不安を煽る表現・加工した施術前後の写真は掲載できない
同ガイドラインは、「撮影条件や被写体の状態を変える等して撮影した施術前、施術後の写真等をウェブサイト等に掲載し、その効果・有効性を強調することは、利用者を誤認させ、不当に誘引するおそれがあることから、そうした写真等については内容が誇大なものとして取り扱うべきであること。」としています。早急な受療を過度にあおる表現や、費用の安さの過度な強調も、掲載すべきでない例。
出典:あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(あはき・柔整広告ガイドライン)|厚生労働省
整骨院・接骨院・整体院で書ける内容は同じか――呼称と資格の違い

整骨院・接骨院・整体院は、検索する人にとっては似た言葉に見えます。しかし、施術者が持つ資格も、適用される法律も同じではありません。この違いを踏まえずに他院のサイトの言い回しをまねると、書けないはずの内容をそのまま載せてしまう。 ただし「整骨院」という名称そのものの是非については、本記事は判断しません。事実として確認できる範囲を、順番に整理します。
法律上の呼称は「施術所」――整骨院・接骨院はどちらも法律用語ではない
柔道整復師法第2条は、「この法律において『施術所』とは、柔道整復師が柔道整復の業務を行なう場所をいう。」と定めています。法律が呼ぶのは施術所であり、「整骨院」も「接骨院」も条文には出てきません。看板に掲げる名称と、法律上の呼び名が一致していない。この前提を押さえておくと、以降の呼称の話が理解しやすくなります。
告示にもガイドライン本文にも「整骨」の記載はない
柔道整復師法第24条第1項第4号に基づく告示が定める呼称は、「一 ほねつぎ(又は接骨)」です。令和7年2月18日に発出されたガイドライン本文(全46ページ)を機械カウントしたところ、「整骨」の語は1回も現れませんでした。一方の「接骨」は8回現れ、「エ 施術所が併設されている場合等に併記すること ○○接骨院・鍼灸院、○○接骨院・○○鍼灸院 等」のように広告できる名称の例に挙がっています。
「整骨院」という名称の是非は、国として結論が出ていない
第11回検討会で、厚生労働省医政局医事課の担当者は「明確に『整骨院』が駄目と言ってきたことも無いし、良いと言ってきたことも無いというのが前提でございます。」と述べました。この論点はガイドラインに記載しないことで整理され、現場の判断に委ねられました。経緯は議事録に次のとおり残っています。
- 「今回、ガイドラインに記載しないことになった場合は、その点については、現状通りといいますか、現場の御判断に委ねる形になろうかと思います。」
名称の適法性については、本記事も判断しません。
整体・カイロは民間資格――「国家資格保有」は数少ない差別化要素
柔道整復師は、国家試験の合格者に厚生労働大臣が免許を与える国家資格です。あはき・柔整広告ガイドラインは「国家資格保有」の表記を広告できるものとする一方、あはき・柔整以外の業務の種類や民間資格の保有を広告不可の例に挙げています。
- 「ア 東洋医学療法、伝統鍼灸、漢方、整体、カイロ等といった、あはき・柔整以外の業務の種類や、これらの民間資格を保有している旨」
整体やカイロが違法という意味ではなく、広告できる事項ではないという整理。 有資格者であることを明示できる点は、整骨院にとって数少ない差別化材料です。
出典:柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)|e-Gov法令API、あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(あはき・柔整広告ガイドライン)|厚生労働省、第11回 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会 議事録|厚生労働省
療養費(保険)が使える施術をサイトにどう書くか

保険と自費をどう書き分けるかという課題は、業種を超えて共通します。歯科の自由診療については歯科医院のSEO対策は何が特殊?診療科名と自由診療の制約から解説で扱いました。整骨院の場合、療養費の対象範囲そのものが最も行政指導につながりやすい論点です。「保険が使えます」の一言が、どこまで正確かで扱いが変わる。 一次資料に沿って線引きを確認します。
療養費の対象は「外傷性が明らかな骨折、脱臼、打撲、捻挫等」
あはき・柔整広告ガイドラインは、「「外傷性が明らかな骨折、脱臼、打撲、捻挫等が医療保険療養費支給申請の対象となる」ことと、「このうち、脱臼又は骨折の患部の施術に係る申請については、医師の同意が必要である」こととを併記することは差し支えない。」としています。対象は外傷によるけがに限られる。 自院サイトで保険に触れるなら、この2点を必ずセットで書く必要があります。
単なる肩こり・慰安目的・慢性的な症状は保険の対象外
協会けんぽは、「整骨院や接骨院で骨折、脱臼、打撲及び捻挫(いわゆる肉ばなれを含む。)の施術を受けた場合に保険の対象になります。」としています。裏を返せば、単なる肩こりや筋肉疲労、慰安目的の利用、慢性的な症状は対象外。「健康保険が使える」と聞いて受診しても費用の全額または一部を自己負担することがある、という注意も同時に示されています。
「医療保険療養費支給申請ができる旨」は公式に言い換えが認められている
あはき・柔整広告ガイドラインは、医療保険療養費支給申請ができる旨の表示について、利用者の理解を促す観点から次の2つへ言い換えてよいとしています。
- 「医療保険により利用者は施術費用の一部負担で施術を受けることができます」
- 「一旦施術費用の全額を負担いただきますが、後で保険者に対してその費用の一部を請求することができます」
厚生労働省が具体的な代替表現を示している、数少ない箇所です。制度用語をかみ砕くために、自己流の言い換えを作る必要はない。 公式に認められた文言をそのまま使うほうが安全に運用できます。
「どんな症状も保険適用」は誇大広告――受領委任の契約違反にもつながりうる
同ガイドラインは、どんな場合でも保険が適用されるかのような表現を、誇大広告の例に挙げています。
- 「・ どんなお客様も医療保険療養費支給申請ができます。 → 筋肉痛、肩こり等には保険適用されないため、どんな場合も保険が適用されるとの表現は誇大広告として取り扱うべきである。」
罰則は30万円以下の罰金。ただし影響はそこで止まりません。罰金刑に至った施術者については、受領委任協定又は契約違反となるため、都道府県及び地方厚生局へ通知するよう定められています。保険の書き方を誤ると、保険を扱う立場そのものに波及しうる。
出典:あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(あはき・柔整広告ガイドライン)|厚生労働省、柔道整復師のかかり方|給付と手続き|全国健康保険協会(協会けんぽ)
MEO(Googleビジネスプロフィール)とSEOの優先順位

整骨院の集客の相談では、自然検索のSEOと地図検索のMEOが「ネット集客」としてひとまとめに語られる場面が少なくありません。両者は評価される要素が違い、打ち手も別物です。ここではGoogleが公開しているローカル検索の仕組みと、口コミ運用で見落とされやすい規制を整理します。商圏が狭い業種ほど、この2つの関係が成果を左右する。
ローカル検索結果は主に関連性・距離・知名度に基づいて表示される
Googleビジネスプロフィールヘルプは、ローカル検索結果が主に関連性・距離・知名度に基づいて表示されるとしています。注目したいのは知名度の中身です。
- 「知名度とは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。知名度の高い場所ほど、検索結果に表示される可能性が高くなります。この要素は、ビジネスにリンクしているウェブサイトの数やクチコミの数などの情報にも基づいています。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ローカル検索結果のランキングが高くなります。」
サイトへのリンクとクチコミが知名度の材料として挙げられている以上、MEOとSEOは切り離せません。サイトを育てることが地図での見え方にも効く、という関係。地図だけ、サイトだけという分担にはなっていないわけです。
謝礼つきの口コミ集めは、Googleのポリシーでも指針でも否定されている
Googleマップの投稿コンテンツに関するポリシーは、見返りと引き換えのクチコミ収集を禁止しています。一方、インセンティブを伴わない依頼は許可の対象。
- 「クチコミの投稿や否定的なクチコミの修正または削除と引き換えに、インセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)を提供する行為。」
- 「インセンティブを提供したり、評価やクチコミの内容に影響を与えようとしたりせずに、実体験に基づくコンテンツの投稿を募ったり促したりする行為。」
ただし両者の範囲は一致していません。 あはき・柔整広告ガイドラインは、施術所からの依頼に基づく手記も誘引性を有すると判断します。謝礼つきの収集はどちらでも否定されている、という重なりの部分だけを頼りに設計するのが確実です。
Googleが挙げているのは3要素――更新頻度は明示されていない
ローカル検索の要素としてGoogleが挙げているのは関連性・距離・知名度の3つで、投稿や写真の更新頻度そのものは挙げられていません。「毎日投稿すれば順位が上がる」という説明に、公式の裏づけはない。 一方、知名度の材料にクチコミ数と評価が挙がっている以上、来院者が自然にクチコミを残せる状態をつくる意味はあります。更新の是非は順位ではなく、閲覧者への情報提供という観点で判断するほうが実態に合います。
出典:Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント|Google ビジネス プロフィール ヘルプ、マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー(禁止または制限されているコンテンツ)|Google マップ ヘルプ
E-E-A-Tを満たすコンテンツ設計――国家資格という一次情報の使い方

整骨院のサイトは書ける範囲が限られる分、誰が書いたのかを示すことの重みが相対的に大きくなります。 国家資格という事実は、他業種ではなかなか持てない裏づけです。ここでは著者情報の示し方、多店舗展開でつまずきやすい店舗ページの作り方、構造化データの扱いまでを順に見ていきます。書ける内容が狭いからこそ、書き手の情報が効く。
国家資格の明示は、YMYL領域で数少ない一次根拠になる
柔道整復師法第15条は、「医師である場合を除き、柔道整復師でなければ、業として柔道整復を行なつてはならない。」と定めています。身体の不調を扱う整骨院のコラムは、Googleが人の健康に関わるトピックとして重く見る領域です。Google検索セントラルが示す観点は次のとおり。
- 「コンテンツの著者が誰であるかを明確にしていますか。」
- 「E-E-A-T 自体はランキングに直接影響する要因ではありませんが、E-E-A-T が優れているコンテンツを特定できる要素の組み合わせを使用することは有効です。」
E-E-A-Tはランキング要因そのものではありません。 それでも院長の署名と資格の明示は、書き手の裏づけを示す数少ない手段です。
地域名だけ変えたページの量産は誘導ページに当たる
Googleウェブ検索のスパムに関するポリシーは、誘導ページの不正使用の例として次を挙げています。
- 「特定の地域や都市を対象としたドメイン名やページを複数持ち、それらのドメインから 1 つのページにユーザーを誘導する」
- 「サイト内における階層が明確に定義されていないため、構造としては検索結果の一覧に近く、内容が類似する複数のページを作成する」
多店舗展開の整骨院が地域名や駅名を差し替えて店舗ページを増やす際、中身がほぼ同一になると、この例に近づきます。店舗ページを持つこと自体が問題なのではない。 住所・スタッフ・設備・アクセスといった固有の情報が入っていれば、それぞれが読者にとって有用なページになります。
構造化データはLocalBusinessの具体的なサブタイプを選ぶ
Google検索セントラルは、「できる限り具体的な LocalBusiness サブタイプ(Restaurant、DaySpa、HealthClub など)を使用してください。」としています。schema.orgにはMedicalBusinessやPhysiotherapyも実在。ただし医療法第3条第1項の定めもあります。
- 「疾病の治療(助産を含む。)をなす場所であつて、病院又は診療所でないものは、これに病院、病院分院、産院、療養所、診療所、診察所、医院その他病院又は診療所に紛らわしい名称を附けてはならない。」
整骨院にどのタイプを使うべきかは、Googleも厚生労働省も示していません。
出典:柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)|e-Gov法令API、有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成|Google 検索セントラル、Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー|Google 検索セントラル、ローカル ビジネス(LocalBusiness)の構造化データ|Google 検索セントラル、あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(あはき・柔整広告ガイドライン)|厚生労働省
合同会社ワンブリマーケティングについて
合同会社ワンブリマーケティングは、SEO・オウンドメディア運用・生成AI活用支援を専門とする企業です。整骨院のように、集患のためのコンテンツ設計と柔道整復師法・あはき師法という専門的な広告規制を同時に読む必要がある事業者を中心に、キーワード設計から記事制作、更新運用の設計までを一貫して支援しています。自院に合った進め方を相談したい方は、お問い合わせからご連絡ください。
整骨院のSEO対策についてよくある質問
Q1. 整骨院のホームページは医療広告ガイドラインを守る必要がありますか?
医療広告等ガイドラインが対象とするのは、病院・診療所や医業・歯科医業に関する内容の広告です。整骨院は施術所にあたるため対象から外れ、実際に同ガイドラインの本文には「施術所」の語が1回も出てきません。代わりに適用されるのが、令和7年2月18日に発出されたあはき・柔整広告ガイドラインです。 ウェブサイトは原則としてその規制対象外ですが、景品表示法や医療法第3条第1項はウェブサイトにも及びます。
Q2. 整骨院のSEO対策でやってはいけない表現はありますか?
あはき・柔整広告ガイドラインは、「治ります」「根本治療」といった虚偽・証明できない表現や、「日本一」「No.1」「最高」などの比較優良表現を、掲載すべきでない事項として挙げています。不安を煽る表現や、撮影条件を変えて加工した施術前後の写真も同様の扱いです。 「改善率〇%以上」のように効果を数値で示すコピーも同じ列挙に並びます。いずれも指針に具体例として名指しで示されています。
Q3. 整骨院・接骨院・整体院でサイトに書ける内容は同じですか?
柔道整復師法が「施術所」と呼ぶのは、柔道整復師が柔道整復の業務をする場所です。整骨院・接骨院はこれにあたり、施術者は国家資格の保有者。厚生労働省の指針は整体やカイロを民間資格と位置づけており、その保有を広告できる事項から除いています。 一方で「国家資格保有」の表記は広告できるものとして明示的に認められているため、有資格者であることは書けます。
Q4. 保険(療養費)が使える施術はサイトにどう書けばよいですか?
対象は、外傷性が明らかな骨折、脱臼、打撲、捻挫等。脱臼・骨折については、医師の同意が必要である旨もあわせて書きます。単なる肩こりや筋肉疲労、慰安目的の利用は対象外です。「どんな症状も保険適用」といった表現は誇大広告として扱われます。 厚生労働省は次の言い換えを認めているため、その文言をそのまま使うのが確実です。
- 「医療保険により利用者は施術費用の一部負担で施術を受けることができます」
Q5. 「整骨院」という名称のまま集患サイトを作っても問題ありませんか?
厚生労働省は検討会で、「整骨院」が駄目とも良いとも言ってきていないと明言しており、結論はガイドラインに記載せず現場の判断に委ねられました。告示上の呼称は「ほねつぎ(又は接骨)」で、指針の本文にも「整骨」の語は出てきません。今後の方針が変わるかどうかについても、本記事の時点で確認できる情報はありません。 名称の適法性そのものは、本記事の判断の外です。
まとめ:整骨院のSEOは広告規制の正確な理解を起点に進めよう
整骨院のウェブサイトは原則として柔道整復師法の広告規制の対象外であり、看板やチラシには書けない施術方法の説明や院長の経歴を書ける点が大きな強みです。ただし、リスティング広告やSNSは広告として扱われ、広告費をかけるほど書ける内容が狭くなる逆説があること、虚偽・比較優良表現や保険(療養費)の対象範囲を正確に書き分ける必要があることは見落とせません。 まずは自院サイトの現在の表現を本記事のOK・NGの整理と照らして見直し、判断に迷う箇所は専門家に相談することをおすすめします。
地域密着型の店舗ビジネスの支援では、自然検索と地図検索のどちらを先に整えるべきかという相談を受ける機会が多くあります。ある店舗ビジネスの支援では、自然検索の流入が月に数百PV増えても問い合わせがほとんど動かなかった一方、地図の表示回数が伸びた月には問い合わせが目に見えて増えました。集客の入り口を1つに絞らず、両方の動きを並べて見る習慣が判断の精度を上げると考えています。