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動物病院のSEO対策は何が違う?獣医療法の広告制限から解説

SEO 公開:2026.08.12 更新:2026.08.23
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合同会社ワンブリマーケティング 代表 星野和大
執筆
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

オウンドメディアを自ら立ち上げて売却し、SEOスタートアップの創業メンバーとしてメディアのグロースに従事。事業会社でのマーケティング、フリーランスとしての戦略立案を経て現職。生成AI領域では国内最大の生成AI活用支援コミュニティで講師を務め、企業研修・カンファレンス登壇も多数。

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自院のサイトに、どこまで書いてよいのか迷っていませんか。動物病院のSEOを縛るのは医療法ではなく獣医療法で、自院サイトは原則として広告に当たりません。本記事で扱うのは、広告制限の範囲・2024年4月の省令改正・サイトに情報を載せるときの条件の3つです。読み終えると、自院サイトのどこを点検すればよいかが分かります。

動物病院のSEO対策で最初に確かめるのは、根拠になる法律が医療法ではないこと

動物病院は獣医療法、人の病院・診療所は医療法という適用対象の分岐を示し、監督官庁が農林水産省と厚生労働省に分かれることを示した図解

動物病院のSEOで最初に確かめたいのは、広告表現を縛る法律がどれなのかという点です。人の医療機関についてはクリニックのSEO対策はどこまで書ける?医療広告等ガイドラインから解説で医療広告等ガイドラインを扱いましたが、動物病院に医療法は及びません。根拠は獣医療法で、条文の作りも所管する省庁も別系統です。まず条文そのものを確認していきます。

獣医療法第17条は広告を原則として禁じ、例外を限定列挙している

動物病院の広告表現は、法律が原則禁止という形で組み立てています。獣医療法第17条第1項は「何人も、獣医師(獣医師以外の往診診療者等を含む。第二号を除き、以下この条において同じ。)又は診療施設の業務に関しては、次に掲げる事項を除き、その技能、療法又は経歴に関する事項を広告してはならない。」と定めています。 除外されるのは専門科名と学位・称号の2つだけで、それ以外は省令で個別に追加する構造です。

医療法第6条の5は人の医療機関に向けた規定である

上位の解説記事には、動物病院の広告制限を医療法で説明しているものがあります。しかし医療法第6条の5第1項は「何人も、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して、文書その他いかなる方法によるを問わず、広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」について虚偽の広告を禁じており、対象は人の医療機関です。 動物病院に当てはめる根拠にはなりません。

違反したときの罰則は50万円以下の罰金で、法人にも科される

制限に実効性を与えているのは、法律の末尾に置かれた罰則です。獣医療法第20条は「次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。」と定め、その第2号に第17条第1項違反を挙げています。 さらに第22条には両罰規定があり、従業者が違反すれば、その法人や個人にも同じ刑が科される仕組みになっています。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

規制の話は制作会社に任せておけばよいと思われがちです。動物やペットに関わる業種の支援に入ったとき、既存サイトの原稿が人の医療機関向けのテンプレートから作られていて、根拠法の名前が最初から違っていた場面に立ち会いました。 業種が近いと同じ枠で処理されやすいので、着手時に根拠法の条番号まで確認するようにしています。

出典:獣医療法(平成四年法律第四十六号)|e-Gov法令検索医療法(昭和二十三年法律第二百五号)|e-Gov法令検索

自院サイトは原則として広告に当たらないが、検索上位に出ると扱いが変わる

誘引性・特定性・認知性の3要件がすべて重なったときに広告に該当することを示すベン図で、自院サイトは通常は誘引性と認知性を欠くが検索上位表示で認知性が加わることを矢印で示した図解

ここが動物病院のSEOでもっとも特殊な部分です。人の医療機関では2018年からウェブサイトも広告規制の対象に組み込まれましたが、動物病院はそうなっていません。病床や組織の違いによる書き分けは病院のSEO対策はクリニックと何が違う?病床数と組織構造から解説で扱っています。まず読むべきは、農林水産省の指針が自院サイトをどう位置づけているかです。

農林水産省の指針は診療施設等ウェブサイトを制限の対象外としている

自院サイトの位置づけは指針の冒頭にあります。獣医療広告ガイドラインは診療施設等ウェブサイトでの情報発信について「原則として、現時点では広告に該当せず、法第17条による制限の対象とはならないが、獣医療の安全対策の一環として、飼育者等への正確な情報発信を図るため、本指針に沿って一定の管理が図られることとしたものである。」としています。 対象外ではあるものの、指針による管理は及ぶという二段構えです。

広告に当たるかどうかは誘引性・特定性・認知性の3要件で判定される

判定の物差しになるのは、指針の第2章に置かれた広告の定義です。指針は広告の定義を「広告とは、随時に又は継続してある事項を広く知らしめることであり」と示したうえで、「①誘引性:飼育者等を誘引する意図があること」に加え、獣医師の氏名や診療施設の名称が特定可能であること、一般人が認知できる状態にあることの3つ全てに該当する場合に広告と解しています。 1つでも欠ければ広告には該当しません。

検索結果の上位に表示されるものは認知性を有すると解される

自院サイトが原則対象外とされる根拠は、閲覧者が自ら探して訪れるという点です。指針は「通常「誘引性」及び「認知性」を有するものではなく、原則として広告に該当しない」としたうえで、例外として「検索エンジンで検索した結果上位に表示されるもの」を挙げ、これらは認知性を有すると解しています。 認知性は3要件の1つなので、上位表示だけで直ちに広告になるわけではありません。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

検索順位が上がることに規制上の意味はないと思われがちです。規制のある業種のサイトを見てきたなかで、指針が閲覧のされ方そのものを判定材料に置いている例は珍しく、動物病院はその数少ない一例だと受け止めました。 上位を狙う設計と、上位に立ったあとの表現の設計は、分けて考えるようにしています。

出典:獣医療に関する広告の制限及びその適正化のための監視指導に関する指針(獣医療広告ガイドライン)|農林水産省

2024年4月の省令改正で、広告できる事項と費用の扱いが変わった

獣医療法施行規則第24条第1項の項目数が2024年4月1日を境に12号から17号へ増え、費用の扱いが併記禁止から併記義務へ反転したことを左右に並べた比較図

動物病院の広告制限は、ここ数年で実際に動いています。改正前に作られた原稿やテンプレートを使い回していると、いまの省令と逆の指示に従うことになりかねません。制度改正の速い業種で情報鮮度をどう扱うかは歯科医院のSEO対策は何が特殊?診療科名と自由診療の制約から解説でも触れました。何がいつ変わったのかを、条文の版を比べて確認します。

広告できる事項は12号から17号に増えた

省令の改正は、広告できる範囲を広げる方向で行われました。獣医療法施行規則第24条第1項は令和5年農林水産省令第52号により改正され、2024年4月1日から施行されて、広告できる事項が12号から17号に増えています。 農林水産省の通知も「規則第24条については、予防注射を行う等の規定を追加して以来見直しを実施していなかったところですが」と、長く手つかずだった経緯を説明しています。

追加されたのは専門性の認定・高度な治療・寄生虫予防・マイクロチップ・役職と略歴

増えた5項目は、いずれも飼い主が知りたい情報に近いものです。追加されたのは、農林水産大臣の指定する者による専門性の認定、承認または認証を受けた医薬品等を用いる検査・手術その他の治療、寄生虫病の予防措置、マイクロチップの装着、そして「獣医師の役職及び略歴に関すること。」の5つです。 愛玩動物看護師が勤務している旨も、あわせて広告できるようになりました。

費用は「併記してはならない」から「併記しなければ広告できない」に反転した

同じ改正で費用の扱いが逆転しました。改正前の第24条第2項第3号は「前項第四号から第七号までに掲げる事項を広告する場合にあっては、提供される獣医療に要する費用を併記してはならないこと。」でしたが、現行の同項第1号ハは「問い合わせ先、通常必要とされる診療内容並びに診療に係る主なリスク、副作用及び費用を併記しなければ広告してはならないこと。」となりました。 古い解説を信じると、真逆の運用になります。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

法令の改正は施行日だけ押さえておけばよいと思われがちです。制度が動いた業種の支援では、施行日を知っていた担当者でも、条文の版を並べて差分を取っていなかったために、規制の向きが逆になったことに気づいていない場面がありました。 改正のたびに新旧の条文を並べて読む作業は、外注できない部分だと感じています。

出典:獣医療法施行規則(平成四年農林水産省令第四十四号)|e-Gov法令検索獣医療法施行規則の一部を改正する省令の公布について(令和5年10月13日付け5消安第4052号)|農林水産省

診療内容をサイトに載せるときは、4つの情報をセットで置く

問い合わせ先・通常必要とされる診療の内容・診療に係る主なリスクと副作用等の事項・費用の4項目を横並びの白いカードで示し、4枚がそろってはじめて掲載できることを示した図解

自院サイトが広告制限の対象外だからといって、何を書いてもよいわけではありません。指針は、診療内容を掲載する場合に広告と同じ考え方をそろえるよう求めています。表示の条件が具体的に決まっている点は、症状表現の扱いを整理した整体院のSEO対策|広告規制の範囲と症状表現の注意点を解説と共通する構造です。求められる4項目を確認します。

4項目とは問い合わせ先・診療の内容・リスクと副作用・費用のこと

セットで求められる情報は、省令と指針の両方に同じ形で出てきます。広告の場面では、問い合わせ先・通常必要とされる診療の内容・診療に係る主なリスクや副作用等の事項・費用の4つを全て併記しなければならず、避妊去勢手術・予防注射・寄生虫病の予防・健康診断・マイクロチップ装着などがその対象です。 4つのうち1つでも欠ければ、広告としては掲載できません。

自院サイトでも「広告に準じて」表示することが望ましいとされている

サイト側にも、同じ4項目の考え方が持ち込まれた形です。指針は「診療施設等ウェブサイトに掲載する情報には、広告で禁止されている、技能、療法又は経歴に該当する事項も記載できるが、飼育者等が獣医療サービスの選択を適切に行うことができるように、広告に準じて情報発信し」と述べ、4項目を全て表示することが望ましいとしています。 義務ではありませんが、指針が示す水準はここです。

二次元コードでリンクさせても併記したことにはならない

紙とサイトをつなぐ設計で注意したいのは、二次元コードの扱いです。農林水産省のQ&Aは「診療広告の併記内容は一目でわかるようにする必要があり」として、二次元コードの記載では併記したことにならないと明記しています。 チラシや看板から自院サイトへ誘導する場合、リンク先に情報を置くだけでは条件を満たさない扱いです。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

料金表は載せないほうが安全だと考える院長先生は少なくありません。規制のある業種のサイトを見てきた経験では、費用を伏せたページより、費用とリスクを同じ画面に並べたページのほうが、問い合わせの内容が具体的になる傾向がありました。 いまの省令はその方向をむしろ求めているので、隠す設計から見直す価値があります。

出典:獣医療法施行規則(平成四年農林水産省令第四十四号)|e-Gov法令検索獣医療広告ガイドライン|農林水産省獣医療広告ガイドラインに関するQ&A(よくある質問)|農林水産省

順位が上がっても使えない集客手法がある

体験談の掲載・ビフォーアフター写真・割引キャンペーンの強調・比較優良表現の4つを禁止側に置き、専門科名と学位称号を可能側に置いた対比図

一般的なSEOの解説では定番になっている打ち手が、動物病院ではそのまま使えません。指針は広告として認められないものを具体的に挙げており、その多くが集客の常套手段と重なります。MEOとの役割分担を整理した飲食店のSEO対策は何が違う?MEOとの役割分担と表示規制から解説とは、使える手札そのものが異なるのです。何が対象なのかを見ていきます。

飼い主の体験談を自院が掲載することは広告として認められない

まず外れるのが、口コミを自院サイトへ転載する手法です。指針は「診療施設が、診療の内容又は効果に関して、飼育者等の体験や家族等からの伝聞に基づく主観的な体験談を、当該診療機関への誘引を目的として紹介すること」を広告として認めておらず、その内容が広告可能な範囲であっても認められないとしています。 飼い主が自発的に発信する口コミそのものは、原則として広告に当たりません。

ビフォーアフター写真も誤認のおそれがあるものは認められない

施術前後の写真を並べる見せ方も、同じく対象です。指針は「いわゆるビフォーアフター写真等を意味するものであるが、個々の飼育動物の状態等により当然に診療の結果は異なるものであることを踏まえ、誤認させるおそれがある写真等については広告としては認められない。」としています。 皮膚科や歯科の症例写真を訴求に使う設計は、この記述に照らして組み直す対象です。

割引やキャンペーンの強調は品位を損なうものとして扱われる

価格訴求も、動物病院では扱いが違います。指針は「費用を強調した広告、提供される獣医療の内容とは直接関係ない事項による誘引による広告も行うべきではない。」とし、Q&Aも「「セット割引」「○%割引」は、獣医療の内容や診療施設について品位を損ねるおそれがあるため、費用のみを強調し誘引していることが明らかであり広告できません。」と答えています。 初診料無料やプレゼント企画も同じ扱いです。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

口コミを載せれば信頼が伝わると考えられがちです。規制の厳しい業種の支援では、体験談を外した代わりに、診療の流れと費用の目安を丁寧に書いたページのほうが、滞在時間も問い合わせも伸びた例がありました。 使えない手札を数えるより、残った手札で何を書けるかを設計するほうが早いと考えています。

出典:獣医療広告ガイドライン|農林水産省獣医療広告ガイドラインに関するQ&A(よくある質問)|農林水産省

専門性の打ち出しは、専門科名・学位・認定の3つで線が引かれる

専門科名と学位・称号は法律で広告可能、指定団体の認定を受けた専門性は省令で広告可能、自称の専門医は不可という3段の線引きを示した図解

動物病院のサイトで差がつきやすいのが、専門性をどう見せるかという部分です。獣医療法は専門性の表示に段階的な線を引いており、書ける言葉と書けない言葉がはっきり分かれています。自由診療の枠組みで専門性を扱う人の歯科とは、根拠になる法令も認められる範囲も別物です。飼い主にとっては病院選びの決め手になる情報なので、どこで線が引かれているのかを整理します。

専門科名は法律が最初から認めている広告可能事項

もっとも自由度が高いのが専門科名です。指針は広告できる専門科名として、内科・呼吸器科・消化器科・循環器科・アレルギー科・外科・整形外科・腫瘍科・皮膚科・眼科・歯科・神経科・行動診療科などの専門分野を示すものを例示しています。 ただし「獣医学的知見又は社会通念に照らし不適切な診療科名については、飼育者等に対して不適切な獣医療を提供するおそれがある」として、不適切な診療科名の広告は禁止の対象です。

対象動物を示す専門科名も認められている

診療対象の動物で専門性を示す書き方も、同じ枠に入ります。指針は「大動物専門科、牛専門科、豚専門科、馬専門科、鶏専門科、犬・猫専門科、小鳥専門科、エキゾチックアニマル専門科、うさぎ専門科、ハムスター専門科、フェレット専門科、は虫類専門科等」を例示しています。 うさぎやフェレットのように、飼い主が病院を探しにくい動物ほど、この表示が検索での手がかりです。

自称の専門医は広告できず、認定は指定団体のものに限られる

一方で、資格の見せ方には強い制約があります。指針は「法17条第1項第2号においては専門医等の資格、研修履歴等は含まれないものと解されることから、広告が認められていない事項であることに留意すること。」としており、広告できるのは農林水産大臣の指定する者による認定だけです。 指定されているのは公益社団法人日本獣医師会認定・専門獣医師協議会で、令和6年7月24日農林水産省告示第1450号によります。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

専門性は資格の名前を並べれば伝わると思われがちです。自由診療や資格の絡む業種を見てきたなかで、書ける資格名が制度で絞られている場合、認定団体名まで含めて正確に書いたページのほうが、読み手の反応がよかった経験があります。 名乗れる範囲を先に確認してから、見せ方を設計する順番を守るようにしています。

出典:獣医療広告ガイドライン|農林水産省獣医療広告制限見直しについて|農林水産省

サイトの構成は、省令が広告を認めた事項を柱にすると設計しやすい

省令第24条第1項が認める17の事項のうち、避妊去勢手術・予防注射・寄生虫予防・健康診断・マイクロチップ装着の5つをサイトの主要ページの柱として並べ、それぞれに4項目のセットが紐づくことを示した構成図

どのキーワードから手をつけるかで迷ったときは、省令の条文が手がかりになります。広告が認められた事項は、飼い主が実際に探している行為とほぼ重なっているためです。限られた時間で優先順位をつける考え方は中小企業のSEO対策は何から始める?優先順位と時間の使い方を解説でも扱いました。条文を構成案として読み替えていきます。

省令が挙げる診療行為が、そのまま主要ページの候補になる

第24条第1項に並ぶ事項は、検索されやすい行為とほぼ同じです。犬猫の避妊去勢手術、狂犬病その他の予防注射、寄生虫病の予防措置、飼育動物の健康診断、マイクロチップの装着は、いずれも省令が広告を認めた事項であり、飼い主が病院を比べるときに調べる行為でもあります。 この5つを独立したページとして持つ構成は、制度と検索需要の両方に沿った形です。

動物種で分ける構成は、専門科名の考え方と揃う

ページの分け方には、対象動物という軸もあります。犬と猫で診療内容も費用も異なるうえ、うさぎ・フェレット・は虫類などは対応できる病院自体が限られるため、動物種ごとにページを分けると検索意図との一致度が上がります。 対象動物を示す専門科名が広告可能事項に含まれていることとも、考え方が揃う形です。診療できる動物を明示しておけば、対応外の問い合わせも減ります。

症状名の記事は書けるが、費用やリスクの扱いは同じ基準で考える

症状名で集める記事についても、置き方の基準は同じです。自院サイトは原則として広告制限の対象外なので症状の解説そのものは書けますが、その流れで自院の診療内容や費用に触れるなら、4項目をそろえた設計にしておけば点検の抜けが起きにくくなります。 症状の解説ページと、診療内容のページを分けておくと、点検も更新もしやすくなります。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

キーワードは検索ボリュームの大きい順に並べればよいと思われがちです。規制のある業種の支援では、制度が「書いてよい」と明示している範囲を先に洗い出し、そこから優先順位をつけたほうが、公開後の差し戻しがはるかに少なくなりました。 条文を構成案の材料として読む進め方は、ほかの業種でも使えるやり方です。

出典:獣医療法施行規則(平成四年農林水産省令第四十四号)|e-Gov法令検索獣医療広告ガイドライン|農林水産省

Googleビジネスプロフィールとの役割分担を決めておく

ローカル検索の関連性・距離・知名度の3要素を左に置き、距離は動かせない要素、関連性はプロフィールの情報量、知名度はリンクとクチコミという内訳を右に示した図解

動物病院は来院を前提とする業種なので、地図検索の比重が高くなります。サイトとGoogleビジネスプロフィールのどちらに何を任せるかを決めておかないと、作業が重複します。MEOとの優先順位の付け方は美容室のSEO対策|MEOとの優先順位と薬機法表示の注意点を解説でも整理しました。まず確認したいのはGoogleの公式説明です。

ローカル検索の順位は関連性・距離・知名度で決まる

順位の決まり方は、Google自身が公開している情報です。Googleビジネスプロフィールヘルプは「ローカル検索結果は、主に関連性、距離、知名度に基づいて表示されます。」と説明しており、この3つの組み合わせで最適な結果が表示されるとしています。 距離は動かせない要素なので、手を入れられるのは関連性と知名度の2つです。

知名度はサイトからのリンクとクチコミの数にも基づく

3要素のうち、SEOと直接つながるのが知名度です。Googleの説明では「知名度とは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。」とされ、「この要素は、ビジネスにリンクしているウェブサイトの数やクチコミの数などの情報にも基づいています。」というのが公式の定義です。 サイトを充実させる作業は、地図検索の側にも効いてきます。

クチコミは集める側と載せる側で扱いが分かれる

一方、クチコミの扱いには獣医療特有の注意点があるのです。プロフィール上に飼い主が自発的に書き込んだ口コミは、指針でも「原則として、体験談は個人が特定の診療施設を推薦したにすぎず、広告には当たりません。」とされていますが、それを自院サイトへ転載すると広告として認められない側に移ります。 集めることと載せることは、別の判断です。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

地図検索とサイトは別々に管理されがちです。来院型の業種では、サイトの情報を整えた時期と地図検索の露出が伸びた時期が重なる例を何度も見てきました。 どちらか一方だけを外注すると打ち手が噛み合わなくなるので、担当を分けるにしても方針は1つにまとめるようにしています。

出典:ローカル ランキングを改善する方法|Google ビジネス プロフィール ヘルプ獣医療広告ガイドラインに関するQ&A(よくある質問)|農林水産省

獣医師1人の施設が6割という前提で、体制と外注の範囲を決める

全国の飼育動物診療施設17,200か所のうち小動物等が13,046か所、そのうち獣医師1人の施設が8,067か所であることを積み上げで示した図解

最後に、誰がこの作業を担うのかという現実的な話です。動物病院は小規模な事業所が大半で、院長が診療の合間に手を動かす前提になります。制作会社にどこまで任せられるかはホームページ制作会社にSEOはどこまで頼める?守備範囲の線引きを解説で整理しました。体制に合わない施策を選ばないために、まず統計で全体像を押さえます。

全国の診療施設は17,200か所で、小動物等が13,046か所を占める

規模感は農林水産省の統計で確認できます。2025年12月31日現在、全国の飼育動物診療施設の開設届出は17,200か所で、内訳は産業動物が4,154か所、小動物・その他が13,046か所です。 数だけを見ると多く感じますが、検索で実際に競合するのは、このうち商圏が重なるごく一部の施設に限られます。全国順位ではなく、通える範囲での見え方が問われる市場です。

小動物等の施設のうち8,067か所は獣医師が1人

さらに内訳を見ると、体制の制約がはっきりします。小動物・その他の13,046か所のうち、就業獣医師が1人の施設が8,067か所で全体の61.8%を占め、2人が2,636か所、3人以上は合計2,343か所です。 記事を量産する体制を前提にした施策は、ほとんどの動物病院で成立しません。まず前提にすべきは、書き手が院長1人しかいないという条件です。

制作を任せた相手も、指針による指導の対象になり得る

外注するときに知っておきたいのが、責任の及ぶ範囲です。指針は「獣医師のみならず、獣医師以外の関係者が広告を行う場合であっても広告制限の対象者とされる。」としたうえで、広告を企画・制作する広告代理店やウェブサイトの業務に携わる者も、広告依頼者とともに指針による指導等の対象となり得るとしています。 発注先の選定そのものが、規律への対応の一部です。

星野 和大
執筆者の見解
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表

小さな事業所ほど記事数で負けると考えられがちです。院長1人で回している規模の事業所を支援したときは、更新頻度を追うより、制度に沿って正確に書いた数ページを育てたほうが、問い合わせにつながる速度は速い結果になりました。 体制に合わない施策を選ばないことが、実は最初の設計判断だと考えています。

出典:都道府県別飼育動物診療施設の開設届出状況(令和7年12月31日現在)|農林水産省獣医療広告ガイドライン|農林水産省

合同会社ワンブリマーケティングについて

合同会社ワンブリマーケティングは、SEO・オウンドメディア運用・生成AI活用支援を専門とする企業です。法令や行政指針が絡む領域を含む複数業種の支援で、業界ごとの規律を一次ソースで確認しながらコンテンツを設計する姿勢を大切にしています。 動物病院のように所管省庁も根拠法も一般の医療機関と異なる業種では、条文と指針を突き合わせる作業そのものが成果につながると考えています。自院に合った進め方を相談したい方は、お問い合わせからご連絡ください。

動物病院のSEO対策についてよくある質問

Q1. 動物病院のホームページは獣医療法の広告制限を受けますか?

農林水産省の獣医療広告ガイドラインは、診療施設等ウェブサイトでの情報発信を原則として広告に該当しないものと位置づけています。ただし指針は「検索エンジンで検索した結果上位に表示されるもの」などを認知性がある例として挙げており、指針に沿った管理は自院サイトにも及びます。 個別の表現の可否は、施設の所在地の都道府県の獣医事担当部署に確認してください。

Q2. 症例の写真をサイトに載せてもよいですか?

診療の前後を並べたビフォーアフター写真は、広告としては認められていません。指針は個々の飼育動物の状態等により診療の結果は当然に異なることを理由に挙げており、誤認させるおそれがある写真等は認められないとしています。 自院サイトは原則として制限の対象外ですが、指針は広告に準じた情報発信を求めているため、同じ基準で判断しておくほうが、後の手戻りは少なくて済むはずです。

Q3. Googleのクチコミを自院サイトに転載してもよいですか?

飼い主が自発的に投稿した口コミそのものは、原則として広告に当たりません。一方で診療施設が飼育者等の主観的な体験談を自院への誘引を目的として紹介することは、その内容が広告可能な範囲であっても広告として認められないとされています。 転載ではなく、プロフィール上の口コミへ導線を置く形にとどめておくのが現実的な設計です。

Q4. 「◯◯専門医」と書くことはできますか?

法律が認めているのは専門科名と学位・称号で、専門医等の資格や研修履歴はここに含まれません。広告できるのは農林水産大臣の指定する者による専門性の認定で、指針は認定団体名を伴わない「◎◎◎◎専門獣医」という表記を広告不可の例として挙げています。 指定されているのは公益社団法人日本獣医師会認定・専門獣医師協議会です。

Q5. 制作会社に任せておけば規制への対応は済みますか?

規制の対象者は獣医師に限られません。指針は、広告を企画・制作する広告代理店や広告を掲載するウェブサイト等の業務に携わる者も、広告依頼者とともに法や指針による指導等の対象となり得るとしています。 発注側が条文と指針を読んだうえで、原稿の判断基準を共有しておくことが前提です。任せきりにせず、公開前に自院で確認する工程を残しておきましょう。

まとめ:根拠法と指針を確かめてから動物病院のSEOを進めよう

動物病院のSEOで押さえるべき結論は、根拠になるのが医療法ではなく獣医療法であり、自院サイトは原則として広告制限の対象外だという構造にあります。検索結果の上位に表示されるものは認知性を有すると解されること、2024年4月の省令改正で広告できる事項が12号から17号に増え費用の扱いが反転したこと、体験談やビフォーアフター写真は広告として認められないことは、特に押さえておきたい点です。 自院サイトの表現を条文と指針に照らして点検し、判断に迷う点は都道府県の獣医事担当部署に確認することから始めてみましょう。

星野 和大
星野 和大合同会社ワンブリマーケティング 代表
オウンドメディアを自ら立ち上げて売却し、SEOスタートアップの創業メンバーとしてメディアのグロースに従事。事業会社でのマーケティング、フリーランスとしての戦略立案を経て現職。生成AI領域では国内最大の生成AI活用支援コミュニティで講師を務め、企業研修・カンファレンス登壇も多数。
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